医学部 医学科
カリキュラム
日本の従来の医学教育の枠にとどまることなく、1 年次から医療面接・身体診察の授業が始まります。基礎と臨床を統合した器官別統合講義を低年次から能動的に学んでいくカリキュラムを導入。実践形式のシミュレーション教育によって医療への理解を深め、着実に知識と技能、態度を身につけます。最低4 週間の海外臨床実習などで、医師として国の内外で活躍できることをめざします。
6年間の学修のながれ
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1年次 早期からの医療体験と英語で学ぶ基礎医学の1年間
入学直後の早い時期から日・英バイリンガルで行う医療面接・身体診察の授業が始まります。医療面接ロールプレイや成田シミュレーションセンターでの身体診察の実習を通して、診療の基本を実践的に学びます。また、4つのレベルにクラス分けした医学英語を含む英語の授業では時事問題、文化、サイエンスなどさまざまなトピックスを用い、リスニングとスピーキング力を高めます。続いて、英語と日本語で行う医療生物・物理・化学の授業で基礎科学を学びます。さらに、英語による基礎医学の解剖学、組織学、生理学、生化学、分子生物学、免疫学、薬理学、病理学や医療プロフェッショナリズム、2学期には感染症、人体発生学、生殖・妊娠・分娩、早期体験実習、3 学期には器官別統合講義Ⅰの循環器系、国際医療保健学やデータリテラシーの授業が行われます。
2年次 基礎医学の応用として英語による臓器別学修と医療早期体験の継続
1年次3学期から始まる英語による器官別統合講義のⅡからⅧでは、臓器別に呼吸器系、消化器系、内分泌代謝系、腎泌尿器系、婦人科系、運動器・皮膚・膠原病、脳神経・精神系の授業が行われ、さまざまな病気について学びます。ここでは、基礎医学と臨床医学を統合して学修します。また、2学期には正常人体解剖実習があります。解剖学実習は医学を学ぶために重要な人体の正常構造を理解し、医師となる自覚を高めるために重要な学修機会です。また、国際保健、医療プロフェッショナリズム、医療面接・身体診察、医学英語、早期体験実習が行われ、1年次で学んだ入門レベルを踏まえて応用レベルへと内容が深まります。
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3年次 英語の器官別統合学修と日本語による基礎医学と臓器別学修の復習
3年次の1学期までは引き続き英語による器官別統合講義のⅨ感覚器系、Ⅹ血液系が行われます。また、胎児・小児の成長と疾患、腫瘍と臨床、救急と集中治療、麻酔、予防医学・行動科学、老年医学を英語で学びます。3年次には、他学部との関連職種連携ワークを日本語で実施します。さらに発展させた内容での医学英語、医療プロフェッショナリズム、国際保健の授業が続きます。一方、2学期からはすべて日本語での授業となります。まず、社会医学と呼ばれる、医療管理学、公衆衛生学、法医学、臨床疫学、そして医療データサイエンスの授業が行われます。その後、日本語による臨床医学の復習、およびこれらをすべて統合する臨床推論の演習が行われます。さらに、臨床推論に必要な医療面接・身体診察の演習、および総合試験を受験します。
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4~5年次 4年次から診療参加型臨床実習(クリニカルクラークシップ)
4年次前期は、3年次に引き続き、日本語による基礎医学および臨床医学の復習をします。これらを統合する臨床推論の演習が行われ、総まとめとして共用試験CBTを受験します。その後、基本的臨床技能と呼ばれる、医療面接・身体診察、および感染対策、心電図計測、採血などの基本的臨床手技について、共用試験臨床実習前OSCEで実技試験を受験します。最後に臨床実習の準備となる授業が行われます。4年次後期から6年次前期までは臨床実習が中心となります。医師として必要な知識、技能、態度を実践的に学び、国内外で活躍できる総合的な診療能力を身につけます。また、大学として米国医師国家試験のUSMLE の受験を支援しています。合格した学生には合格お祝い金を支給しています。5 年次までにUSMLE Step 1( 基礎医学)を受験することを推奨しています。
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6年次 臨床実習の総まとめ、臨床実習後OSCEと選択学修
6年次は、1学期の選択制臨床実習の後、共用試験臨床実習後OSCEと呼ばれる実技試験を受験します。夏期休暇後の2学期には、選択必修として、総括講義や追加での選択臨床実習、医学研究の科目が用意されています。
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医学を英語で学ぶ
1~2 年次に医学科目をほぼすべて英語で学修するという「内容言語統合型学修」で英語を身につけるほか、1~3 年次の英語Ⅰ~Ⅲ( 合計150 時間)を通して一般英語の能力を向上させます。また1~6年次の医学英語(210 時間)において医師にとって必要な医学英語スキルを修得します。このほかにも選択科目として1~3 年次に英語コミュニケーション(225 時間)も用意しています。これらのスキルは6年次の「臨床実習後OSCE 大学独自課題」において客観的に評価されます。このように本学では入学時の英語力に関わらず、USMLE( 米国医師国家試験)にも合格できる英語能力が修得できる英語学修環境を整えています。
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診療参加型臨床実習
6年次は、1学期の選択制臨床実習の後、共用試験臨床実習後OSCEと呼ばれる実技試験を受験します。夏期休暇後の2学期には、選択必修として、総括講義や追加での選択臨床実習、医学研究の科目が用意されています。
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関連職種連携実習
5年次夏期休暇中に関連職種連携実習(選択)を実施します。本学は10学部26学科を擁する医療福祉の総合大学でありこの利点を生かした本学独自のカリキュラムが「関連職種連携教育」です。本学の関連施設において学部学科横断チームで臨床実習を行います。他学部の学生とグループディスカッションを行い、さまざまな医療福祉専門職の専門性を理解し、連携のあり方やコミュニケーションの方法を修得。医療福祉現場で求められる「チーム医療・チームケア」である多職種連携を実践します。
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海外臨床実習
1~3年次には「国際医療保健学」の授業で各国の医療制度や医療事情を学び、5年次後半~6年次に最低4週間におよぶ海外臨床実習を実施します。必修での海外臨床実習は、世界で活躍する医師の養成を使命とする本学独自のカリキュラムです。本学が学術交流協定を結んでいるアジアや欧米の病院などでその国の臨床教育を受けるとともに、身につけた英語力で各国の医療事情を学びます。実習先では、日本とは異なる文化・宗教・制度・慣習を肌で感じ、多くの症例に触れながら現地の指導医や医学生と議論を重ねて理解を深めます。海外の医学・医療に直に触れ、グローバルな医療人として成長します。
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USMLE(米国医師国家試験) 受験を推奨
米国の卒後臨床研修の参加資格を得るためには、USMLE(米国医師国家試験)のStep 1(基礎医学の試験)とStep 2 CK(臨床医学の試験)の両方に合格することが必要です。本学医学部は、「医療の国際化に対応した幅広い知識と高いコミュケーション能力を持ち、海外の医療現場で活躍できる」ことを卒業時に身につけるディプロマポリシーのひとつに掲げ、USMLE合格に向けたカリキュラムを組んでいます。1・2年次に医学科目を英語のみで学修することに加え、医学英語の授業やUSMLE対策セミナーを開講し、5年次までにStep 1を受験することを推奨しています。