本学の教育の柱の一つとして医療プロフェッショナリズム教育があります。 日本においては比較的新しい教育ですが、本学は1年次に60時間、2年次、3年次にそれぞれ30時間と多くの時間を当て、 4年次以降の臨床実習においても継続して教育していきます。
これまでの医学教育は知識や技能に重点がおかれていましたが、良い医師にはさらに医師としての人間性が求められます。 特に、高齢化が進む日本においては、単に治癒をめざすだけではない、患者さんの望むケアができる医師が必要です。 今後さらに多様になる患者・家族の価値観に対応し、患者・家族は当然のこと、他の医療介護従事者とも良好なコミュニケーションがとれる、 人間味あふれ、高い倫理観をもつ医師を育てなければなりません。 そのような教育をめざしているのが本学の医療プロフェッショナリズム教育です。
項目としてはコミュニケーションを主体として価値観の多様性・多職種連携・患者医師関係・守秘義務と個人情報・インフォームドコンセント、 医療安全としてヒューマンエラー・ヒアリハット・過去の医療事故・安全対策、医療倫理の流れ、法と医療、良い医師とは、 著作権を考える、研究倫理など、広範囲に及んでいます。
教えたい内容を言葉にするだけでは伝わらないのがこのような態度教育の難しいところです。 そのため、このコースではできるだけ主体的に考えるように仕向けるアクティブラーニングを積極的に取り入れています。 さまざまなテーマでのスモールグループディスカッション、ロールプレイング、ゲーミング、映画などを通して悩み、 考え、最善の答えを見つけることを繰り返す、倫理的思考を促しています。
教員は臨床経験豊富な現役の医師が担当し、どうすれば臨場感をもって学べるか工夫して授業を作っています。 自分たちが「こんな教育を受けたかった」という教育を作り上げるため、授業を計画する時も授業後も全員で話し合いながらteam based teachingを 行っているのも特長です。学生も楽しみながら学んでいると思います。