成田キャンパス
医学科

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FACULTY OF MEDICINE

医学部 医学科

Overseas Clinical Clerkship 海外臨床実習

学生レポート:小野 祐実
実習病院:ヴロツワフ医科大学(ポーランド)

学生レポート:小野 祐実

■ 実習先を選んだ理由を教えてください。

家庭医療に興味がありポーランドを実習先として希望しました。ポーランドの医療は家庭医制度であり、所謂ファミリードクターにかからないと専門病院に通院することはできないという仕組みとなっています。それを見てみたいと思い、実習先として希望しました。大学のプログラムに家庭医療がなかったためこの希望は叶いませんでしたが、興味があった外科、それも日本で行った2年間の実習で見学する機会のなかった内分泌外科を選択できたことはよかったと思っています。

■ 実習では、どのような狙いや目標を掲げて、どのような取り組みをしましたか?

内分泌(甲状腺や副腎など)の手術をなるべくたくさんのオペを見て助手として術野に入ろう、というのを目標としていました。現地の学生もいたため、助手として術野に入ることができた手術は多くはなかったですが、毎日オペの見学をすることができました。特に甲状腺の手術は海外実習が終わる頃にはもうお腹いっぱいだ!となるほどの件数を見ることができたと思います。

■ 実習のなかで印象に残っているエピソードを教えてください。

献腎移植の手術がとても印象に残っています。移植外科で実習をしていた他の学生にお願いして見学させていただいたのですが、手術が開始したのが休日の18時半頃で、手術が開始する数時間前に先生から連絡が来ていました。ドナーの臓器を準備するチームとレシピエントの準備をするチームがいたため手術室には多くの人がいました。終始緊張感に包まれていましたが、合間、合間に先生方が解説してくださり、とても勉強になり、非常に貴重な経験をさせていただきました。

■ 実習を通して、不足しているなと感じたことや、日本での学びを生かすことができて、自信がついたことを教えてください。

手洗い等の手技は日本とポーランドであまり違いはなかったため、先生に突然「今から助手として術野に入れるけどどうする?」と言われた際にスムーズに術野に入ることができ、とてもよかったと思い、自信に繋がりました。一方で、言語面での事前準備が全く足りていなかったというのは日々痛感していました。ポーランドの公用語がポーランド語であるというのは知っていましたが、ヨーロッパに属する国であるため日本と比べると日常に英語が溢れているのではないかと考え英語の準備ばかりしていました。ところが、実際には日常生活はほとんどポーランド語で、病院の朝のカンファレンスもポーランド語で行われていました。事前にもう少しでもポーランド語を学んでいたら、もっと実りある実習にできたのではないかと悔しく思います。

■ 実習中の環境について教えてください(病院の立地、実習中の住環境、生活の状況、休みの日の過ごし方など)。

寮から病院まではバスで通っていました。外科ということもあり朝は早かったですが、その分終了時間も早かったと思います。病院と寮の間に観光地として有名な中央市場広場があったため、実習帰りに途中下車をして散歩や買い物をすることが多かったです。寮では予想外のことも多かったですが、様々な国から来た学生がいたので様々な文化に触れることができました。休日は現地の学生が街を案内してくれたりして、街に出ていることが多かったです。

■ 将来の夢や目標について教えてください。

診療科はまだ悩んでいる段階ではありますが、患者さんの背景に目を向けることができ、医療者含め患者さんや患者さんのご家族ともしっかりと信頼関係を築くことができる医師になりたいと考えています。
その上で、将来的には海外で働きたいと考えています。以前より海外で働いてみたいという考えは漠然とあったのですが、ポーランドでの実習を通して実際に生活して医療現場を見たことで、遠くてふわふわとした夢がより身近となったように感じます。同時に、現時点の自分には何が足りないのかを痛感しました。
今回の海外実習はもちろん、大学で学んだこと経験したこと全てをしっかりと今後のキャリアに活かしていき、学ぶことや新しいことへの挑戦を継続していきたいです。

学生レポート:前田 優太郎
実習病院:チューリッヒ大学病院(スイス)

学生レポート:前田 優太郎

■ 実習先を選んだ理由を教えてください。

チューリッヒ大学病院 脳神経外科は世界の脳神経外科をリードしてきた長い歴史があります。そんな格式高く、伝統のある施設ではどのような医療・手術が行われているのか見学したいという思いがあったからです。

■ 実習では、どのような狙いや目標を掲げて、どのような取り組みをしましたか?

様々な国の人々と触れ合い真の多様性を実感すること、そして日本と欧州の相違点を認識し私たち日本人としての強みがどこにあるのかを知ることを目標としていました。実際、多くの方々と対話し同じ時間を過ごすことで、意図していた以上のものを受け取ることができたと思います。

■ 実習のなかで印象に残っているエピソードを教えてください。

脳神経外科では専門によってかなり細かく分けられている点に驚きました。脳神経外科の手術室は3つあり、ほぼ毎日並列して多くの手術を行っていました。レジデントから上級医までの役割もはっきりしており、非常に効率よく業務をこなしている点が日本と大きく違うと思いました。また、レジデントによるプレゼンテーションのレベルも高く、上級医にも物怖じせず明確に意見を述べている点はとても印象的で見習わなければならない点だと思いました。

■ 実習を通して、不足しているなと感じたことや、日本での学びを生かすことができて、自信がついたことを教えてください。

本学の授業では英語を使って人前で発表する機会が多く、物怖じせずに外国語を使うこと・成し遂げたい目標のためには積極的に行動することを学んできました。今回の実習ではこれらを生かして、ドイツ語学習から実習手配に至るまで全て自らの力のみで計画し、その通りに物事を進められたのは大きな自信となりました。

■ 実習中の環境について、教えてください(病院の立地、実習中の住環境、生活の状況、休みの日の過ごし方など)。

壮大な自然と歴史的な建物に囲まれ、穏やかな時間が過ぎていました。実習では大学の寮をお借りし、共用キッチンでは様々な欧州国出身の方々とお話しすることができました。休日にはスイス国内の主要都市を練り歩いたり、湖畔でゆっくり過ごすなど存分に楽しみました。

■ 将来の夢や目標について教えてください。

成し遂げたい目標や目的のためには思い切った行動や判断ができ、逆に綿密な準備と計画から慎重かつ冷静に物事を推し進められる、そんな大胆さと繊細さを兼ね備えた医師になりたいです。