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FACULTY OF MEDICINE

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実習レポート2021

指導教員:高木病院 救急医療部 副部長 中山 紫季(右)

指導教員レポート:高木病院 救急医療部 副部長 中山 紫季

■臨床実習を通して、学生に期待すること、理解してほしいこと。

臨床実習というものが、そもそも何なのか?ということを理解してほしいです。教科書などで調べることは自宅や図書館でもできます。臨床実習では患者さんと接することや臨床を肌で感じることが大切です。学生には、ひとつでも多くのことを経験しよう、やってみようという姿勢を期待しています。

■他大学の実習生と比較して、本学の学生ならではと感じたことはありましたか。

新設の医学部ということもあり、伝統的な慣習などがあまり感じられないことが新しいと思います。自分たちで実習のスタイルを作っていっている部分もあると思います。また、留学生が一定数在籍していることで、様々な考え方がmixされて、少なくとも日本の医学部では今までにはない雰囲気を作り出しているように思えます。

■英語で医療を学んだことが生かされていると実感した場面はありましたか。

基本的に医学英語に対する苦手意識があまりないことや、文献検索で英語の論文を調べている学生を見受けることが多々あり、英語での教育の成果なのではないかなと思います。

■留学生の様子はいかがでしたか。

日本という異国で医学を学ぼうとする学生たちです。基本的なモチベーションの高さには驚かされます。

■受験生に向けてひとこと。

国際医療福祉大学医学部はあらゆることが既存の医学部とは違うスタイルです。海外の医学部では様々な国籍の学生が当然のようにおられますが、日本では唯一だと思います。更には新設医大であることから学生たち自らスタイルを作り上げていき、そこに日本ならではの良い部分は教員たちが指導することで全く新しい医学部になっていると思います。自らの手で学び、成長していくには非常に良い環境だと思います。是非、私たちとともに新しい環境で学びませんか?

学生レポート:竹内 美羽

学生:竹内 美羽(左)、指導教員:高木病院 救急医療部 副部長 中山 紫季(右)

■実習病院や診療科はどのように決まりましたか?

東京出身ですが、一度も行ったことのない場所で半年間実習をしたいと考え、九州を選びました。高木病院はThe市中病院という雰囲気で、common diseaseについて色々と学べます。また、先輩からひとつの科を1〜2人の学生で実習するので先生に質問しやすいことや、自分次第で手技なども実習させてもらうこともできるということを聞き、高木病院での実習を希望いたしました。

■臨床実習の「一日の流れ」は?

病棟回診から一日が始まり、内科系は外来や検査の見学、担当患者さんの問診などを行います。外科は手術見学が主で、術前や術後のカンファレンスにも参加します。空いた時間にはシミュレーションセンターで超音波検査や縫合、中心静脈カテーテル挿入などの練習をすることができます。また、月2回ほど金曜日の午後に学年全員を対象としたzoom講義がありました。講義の後には3エリアの情報共有の時間があり、各病院の様子を知ることもできます。

■3年間の学修の成果を特に実感した場面はありましたか?

産婦人科での症例発表/プレゼンのときに英語の論文を参照して発表したところ、指導医の先生にお褒めいただきました。英語での授業やディスカッションの経験があったことで、限られた準備時間の中でも英語の文献を参照することに抵抗感が比較的少ないということは3年間の学修の成果だと感じました。

■器官別統合授業の成果を感じた場面はありましたか?

その疾患の起こる病態生理や、治療薬の作用する機序などを同じタイミングで学べたことは臨床実習に非常に役に立っていると感じます。一対一の対応的な知識の入れ方では、臨床で起こる事象を「なぜ?」「どうして?」とたどっていこうとしたときに行き詰まってしまいます。臨床実習が始まってから統合型授業の意義をより実感しました。

■大学で学修したことと現場での違いを感じた点はありますか?

患者さんの診療とは、症候から診断を鑑別して、必要な検査を行い、治療方針を立てていくものだというイメージを漠然と持っていました。しかし、実際の現場では、患者さんの生活や社会的背景といった情報の収集や、コミュニケーションを密にとって信頼関係を築くことが非常に重要であることを学ばせていただきました。

■患者さんと接して印象に残っていることはありますか?

小児科で6歳の男の子を担当した時のことです。自分自身が10歳で入院したときに実習生と研修医の先生が毎日病室を訪れて一緒に遊んでくれたことを思い出し、担当期間中、毎日顔を合わせるたびに折り紙を一緒に作りました。退院の日、いつものように病室に行くとお手紙と小さな折り紙のメダルを差し出して、笑顔でお礼を言ってくれました。最初の頃は症状がつらそうだったのが、みるみる元気になっていくのを見て、私も力をもらいました。

■他職種とのコミュニケーションについて印象に残っていることはありますか?

高木病院の不妊センターで不妊治療に携わる培養士の方に体外受精や人工授精、凍結胚保存などについて教えていただきました。培養士の方々も学会に入り、専門性を高めるため日々研鑽を積まれているということをお聞きし、自分の職種に矜持を持って、質の高い医療を提供できるよう励まれている姿が印象的でした。

■臨床実習期間中に自分が「成長した」と感じたことはありますか?

当初、患者さんから問診をしてカルテを書くことがとても苦手でした。医療面接の授業で練習していたのに、いざ患者さんを前にすると頭が真っ白になってしまいました。それでも毎日通い、色々方法を変えながら、時には一緒に実習する学生に付き添ってもらいフィードバックしてもらいました。今では「何を考えて、何を聞こうとしているのか」を意識しながら問診できるようになりました。記入したカルテは指導医の先生に確認していただき、トレーニングを重ねています。

■実習中の環境(病院の立地、実習中の住環境、生活の状況など)について

徒歩圏内にスーパーや薬局、コンビニエンスストアがあり、飲食店も複数あります。病院から徒歩7分ほどの寮に住んでいましたが、朝の時間を有意義に使えてとても便利でした。昼食はほとんどの人が病院の職員食堂を利用していましたが、とても美味しかったです。夕食は自炊、外食など様々でした。

■現時点で、自分に特に必要と思うスキルはありますか?

根拠に基づく考え方ができるように訓練していきたいです。救急科の指導医の先生から「どうしてその検査をオーダーしたのか」「なぜその薬を処方したのか」といった疑問を常に持つことが大事だと教えていただきました。全ての行動には理由が伴う、という目でいざ臨床現場を見渡してみるとまだまだ分からないことばかりです。一つひとつのことに対して疑問を投げかけ、その理由をまずは自分で考えることをこれからも続けていきたいです。

■臨床実習を通して現時点で自分の進む診療科は決まりましたか?

現時点では産婦人科に進みたいと考えています。帝王切開の手術見学で初めて出産に立ち会ったとき、児の出てくる速さに驚いたと同時に、生まれてきた児の産声を聞いて手術台の上で涙を流されていた患者さんを見てとても感動しました。他にも魅力的な診療科は多くまだ迷っていますが、自分の手を動かすのが好きなので手技の多い外科系に興味があります。

■実習スケジュール

期間 病院名 診療科
1週~4週 高木病院 呼吸器科
5週~6週 高木病院 産婦人科
7週~8週 高木病院 小児科
9週 福岡山王病院 麻酔科
10週 福岡山王病院 消化器外科
11週 福岡山王病院 整形外科
12週 福岡山王病院 循環器科
13週~16週 高木病院 外科
17週~20週 高木病院 救急科