診療概要
診療科の特徴
国際医療福祉大学医学部消化器外科学講座では、2020年の成田病院に開院に向けて現在、各々のスタッフが国際医療福祉大学市川病院(千葉県市川市)、国際医療福祉大学病院(栃木県那須塩原市)、国際医療福祉大学三田病院(東京都港区)、国際医療福祉大学塩谷病院(栃木県矢板市)、国際医療福祉大学熱海病院(静岡県熱海市)の各関連施設において日常臨床に励んでいます。
当講座では「国際的に活躍できる医師の育成」を目標に、独自の医学教育だけでなく、臨床においても海外からの集患や海外への医師派遣などを積極的に行ってまいります。
また、研究面においても世界のフロントランナーとなるべく、さまざま臨床研究、基礎研究の立案、スタートアップに各臓器グループが鋭意努力しています。
上部消化管外科
悪性疾患(食道癌・胃癌・胃GIST等)から良性疾患(胃食道逆流症・食道アカラシア・食道粘膜下腫瘍・難治性胃十二腸潰瘍等)まで幅広く扱っています。経験豊富な専門医が担当し、個々の患者さんに合わせた最善の治療を提供いたします。
外科的手術のほか、抗癌剤治療や放射線治療、上部消化管内視鏡による治療(EMR/ESD)を組み合わせた総合的な治療に取り組み、消化器内科や臨床腫瘍内科、放射線科等、他科とも緊密な連携を図っています。
外科的治療では胸腔鏡や腹腔鏡を用いた鏡視下手術を積極的に導入しています。
特に食道癌に対しては、高度な技術が必要とされる完全胸腔鏡下食道切除術・腹腔鏡補助下胃管作成を第一選択として、専門チームによる徹底した周術期管理のもと、安全性と根治性を担保した最新治療を提供しています。また、最近増加傾向にある食道胃接合部癌や胃上部の早期癌に対しては、可能な限り胃を温存する腹腔鏡補助下噴門側胃切除を実施しています。
当グループスタッフは消化器内視鏡治療にも精通しており、食道・胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)や下咽頭表在癌に対するELPS等、先進的な低侵襲治療も積極的に行っております。
下部消化管外科
大腸癌を中心に潰瘍性大腸炎やクローン病などの外科的治療を要する疾患を対象に、原則すべての症例に対して腹腔鏡手術を行っております。
また、直腸癌に対しては、術前化学放射線療法を組み合わせることで、治療成績の向上や肛門温存に努めており、2018年4月に保険収載されたロボット支援手術も積極的に取り入れ、常に最新かつ最良の医療を提供することを目標としております。
加えて、痔などの肛門疾患に対しても専門医が行う外来を開設し、下部消化管に関するすべての疾患に対して専門医による安全かつ至高の医療を提供いたします。
肝胆膵外科
肝胆膵領域の悪性疾患(肝臓がん、胆道がん(胆管がん、胆嚢がん)、膵がんなど)から良性疾患(胆石症、胆嚢ポリープ、膵のう胞など)まであらゆる疾患を扱います。消化器外科のみならず、消化器内科・腫瘍内科・放射線科といった各分野のエキスパートで構成される肝胆膵クラスターを通して診療にあたることで、標準治療から最先端の治療まであらゆる治療選択肢を考慮の上、一人ひとりの患者さんにとって最適な治療を提供できるよう心がけています。
当グループでは、日本肝胆膵外科学会高度技能医、日本内視鏡外科学会技術認定医など技術面でも専門性の高いスタッフによる治療を提供します。特に、腹腔鏡を用いた鏡視下手術を積極的に行っており、根治性を追求した高度な手術を、より負担の少ない方法で、より安全に提供いたします。また、他施設で手術適応がないとされた高度進行がん・難治がんに対しても、「あきらめない治療」をモットーに、化学療法や放射線治療などを組み合わせた集学的治療を導入することで外科治療の可能性を追求します。