東京2020オリンピック・パラリンピック
理学療法サービス参加報告②
東京オリンピック・パラリンピックでは、競技者を支援するためにメディカルサービスとして医師や看護師などの職種が関わっておりますが、今回私は理学療法士として競技会場の緊急時対応と選手村のポリクリニック(総合診療所)で関わる機会をいただきました。
東京オリンピックでは競技会場のメディカルチームの一員として配置され、救急時の対応を任されました。そのため、事前の研修会を重ねて、各会場に合わせた救急搬送経路の確認、救急時の対応の役割分担を確認し、何度もデモンストレーションを行いました。これまで、オリンピック・パラリンピックはテレビで観る程度でしたが、今回の経験により選手の緊急時に命を守るために、競技の裏では事前から準備を重ね待機しているメディカルスタッフが多くいることを改めて認識しました。幸い、無事に競技が終了し、非常に貴重な経験となりました。
東京パラリンピック期間には、選手村内のポリクリニックの理学療法室にて、選手に理学療法を提供しました。様々な症状を訴える選手に対して、理学療法の可能性を改めて感じる場であり、言語の壁にはいろんな工夫を凝らして乗り越えました。英語を母国語としない国の選手も多く訪れ、翻訳機器を通した意思疎通もある中で、"本当に私のために尽くしてくれた"と感謝されたときには胸がいっぱいになりました。言語の壁はありますが、理学療法を通じて、外国アスリートの身体の状態、機能を把握し、介入することはできます。今後とも、自身の研鑽、また国内外の理学療法の発展に努めようと決意を新たにする機会となりました。最後に、今大会の参加にあたり関わりました関係者の皆様、そして快く送り出してくださった本学関係者の皆様に深くお礼を申し上げます。
成田保健医療学部理学療法学科
助教 青木章乃