医学生・研修医の方へ
当教室における医学生教育
当教室が行っている医学生教育の最たるものは、 「 医学部5年生時における1週間(5日間)のリハビリテーション科臨床実習」 です。
本学のリハビリテーション科臨床実習は、本学市川病院で行います。各学生が同院の回復期リハビリテーション病棟に入院している患者1人を受け持つと同時に、連日の病棟回診や様々なカンファレンスに参加します。さらには、医師やリハビリテーション科療法士によるSmall Group Lectureで知識の整理をして、短いながらも濃厚な5日間を過ごします。(「5日間の医学部臨床実習スケジュール」の表を参照)
臨床実習に際しては、当教室が作成した「医学部5年生用オリジナルテキスト」を使用します。(PDF)
さらには、「市川病院におけるリハビリテーション科臨床実習が待ちきれない "4年生"」のために、「医学部4年生用オリジナルテキスト」も作成済みであり、これは希望学生に配布されています。(PDF)
この臨床実習を通じて医学部学生にぜひ学んでいただきたいことは、以下のごとくです。
- リハビリテーション医療の概要(リハビリテーション医療とは、患者様の生活と人生を癒す医療である)
- リハビリテーション医療の面白さ(リハビリテーション科医師は、個々の患者とじっくりと深く付き合っていく)
- 臨床医学におけるリハビリテーション医療の重要性(リハビリテーション科医師は、多くの診療科の臨床をサポートする Doctor's doctorである)
- 回復期リハビリテーション病棟入院患者の主治医としてリハビリテーション科医師が行うべきこと
- 基本的なリハビリテーション訓練の内容とその適応
- リハビリテーション医療におけるチーム医療(理学/作業/言語療法士や看護師の重要性を知る)
- 障害者にとって必要な社会福祉制度とその利用の実際
「医学部5年生の臨床実習」以外に当教室が行っている教育活動の主なものは、以下のごとくです。
- 医学部3年生に対する、「リハビリテーション医学」の講義(総合臨床医学の一環として行われる。角田主任教授が年間に6~8コマ程度行う)。
- 本学成田キャンパス理学療法学科/作業療法学科/言語聴覚学科学生に対する、「リハビリテーション医学」の講義(角田主任教授、久保講師が担当する)。
- 本学小田原キャンパス理学療法学科/作業療法学科学生に対する、「リハビリテーション医学」の講義(角田主任教授、久保講師、尾崎医師、赤居医師が担当する)。
- 本学成田キャンパス学生に対する、「多職種関連実習」の指導(市川病院で行われる。市川病院リハビリテーション科医師、リハ科療法士、回復期リハ病棟看護師などが担当する)。
- 本学医学部学生に対する、「Early Exposure」の指導(市川病院で行われる。市川病院リハビリテーション科医師、リハ科療法士、回復期リハ病棟看護師などが担当する)。
初期研修における当教室での研修プログラム
本学の場合、本学成田病院、本学三田病院などが臨床研修指定病院(2年間の初期研修を行う病院)となっています(残念ながら、本学市川病院は臨床研修指定病院ではありません)。初期研修においては、全国的にリハビリテーション科研修は必修ではないため、「リハビリテーション科を選択した方だけがリハビリテーション科で研修を行う」こととなります。
当教室の場合、リハビリテーション科での研修を選択する方については、「本学市川病院リハビリテーション科における、1~3か月間の研修」を勧めています。その理由は「Qualityの高い回復期リハビリテーション病棟をもつ市川病院リハビリテーション科で、リハビリテーション科入院患者を対象として、リハビリテーション医療の基本的事項をじっくりと学んでいただきたいため(成田病院や三田病院には、リハビリテーション科病棟がありません)」です。
よって、成田病院や三田病院の初期研修医が、 リハビリテーション科をローテーションする時だけ市川病院に来ていただくということになります(市川病院では、一時的に官舎をご用意できます)。
初期研修においては、①回復期リハビリテーション病棟入院患者に対するリハビリテーション医療の基本的事項(特に、脳卒中や骨関節疾患に対するリハビリテーション医療)、②他診療科入院患者に対するリハビリテーション医療の基本的事項、③リハビリテーション科の外来診療の基本的事項、④リハビリテーション科で行われる主な検査、⑤臨床医として知っておくべき社会福祉制度、などを学んでいただきます。
リハビリテーション医療は多くの診療科の医療をサポートします。よって、将来的には他の診療科(リハビリテーション科以外の診療科)に進む方であっても、若い時期にリハビリテーション医療の現場を経験しておくことは非常に重要であると考えます。
当教室における後期研修プログラム(専攻医制度)
当教室における後期研修プログラム(専攻医制度)
当教室における後期研修プログラムへの参加を希望する方(もしくは興味を持った方)は、いつでも主任教授 角田亘までご連絡・ご相談ください。
主任教授 角田亘(かくだわたる)E-mailアドレス: wkakuda@iuhw.ac.jp
2022年4月から、本学成田病院を基幹病院(プログラムを管理する医師が勤務する病院)とした、リハビリテーション科後期研修プログラム(専攻医制度)が立ち上がっています。このプログラムの正式名称は「 国際医療福祉大学千葉県地域リハビリテーション科専攻医プログラム 」です。以下に、このプログラムの募集要項を要約します。皆様のご参加をお待ちしています。
【国際医療福祉大学千葉県地域リハビリテーション科専攻医プログラム:2025年度以後の募集要項(2024年9月現在)】
- 本プログラムは、国際医療福祉大学(以下、本学)における、唯一のリハ科後期研修プログラム(リハ科専門医を養成するプログラム)です。
- 2024年9月現在では、本学成田病院を基幹施設として、その他に16の連携施設を確保しています。
- 2025年度(2025年4月1日から研修開始)は4名の募集、2026年度と2027年度は4~5名の募集となります。
- 本プログラムは3年間であり、各年とも4月に始まり3月に終了することとなります。そして、終了同年の7月にリハ科専門医試験を受けていただくことになります。この試験に合格すれば、晴れてリハ科専門医になることができます(本邦におけるリハ科専門医試験の合格率は、毎年90%前後で推移しています)。
- 本プログラムの参加に際しては、出身大学、初期研修病院、学生時代の成績などは問いません。原則的に「性格重視、人間性重視、社会性重視」の方針で、教授との面接で参加の可否を決定します。本学リハ医学教室としては、「重要事項を迅速にきちんと報告もしくは相談できない方、協調性のない方、医療・医学に対して真摯でない方」は不要です。
- 本プログラムは、千葉県医師修学資金貸付制度にも対応しています。
- いわゆる入局説明会を開催する予定はありません。 本プログラムへの参加を検討している方には個別で対応させていただきますので、各自で直接にプログラム責任者である角田亘(リハ科部長。Eメール: wkakuda@iuhw.ac.jp)までお問合せください 。いつでも気軽にお問い合わせください(メールをいただいた後に、直接に面談してご相談したいと思います)。
- 3年間のプログラムについて、日本リハ医学会が定めた共通ルールは以下のごとく(3つ)です。
- 日本リハ医学会が定めた 教育施設(リハ科指導医が常勤医師として勤務している施設)で 3年間の研修を行うこと。
- 3年間のうちで、 最短で6か月間は基幹施設で研修を行うこと。
- 3年間のうちで、 最短で6か月間は回復期リハ病棟で主治医として勤務すること。
- このような日本リハ医学会のルールに則って、当方が考えている本プログラムの研修方式は、以下のごとくです。
- 基幹施設である本学成田病院への勤務は 6か月間のみとして、 3年次か2年次の後半に勤務する。
- 残りの2年6か月間の過ごし方は、 各人の希望を最大限に尊重する。
- あまり頻回の異動や短期間の勤務は望ましくないので、いずれの施設勤務についてもその期間は 6か月間~2年間("本学市川病院以外の連携施設" での勤務は1年間以上が "望ましい")とする。
- *以下に、後期研修プログラムのパターンの例をいくつか示します(実際には、非常に多くのパターンが存在します)。
- 2024年9月現在で確定している本プログラムの基幹施設と連携施設(16施設)を以下に列記します。いずれの施設も(当然ながら)日本リハ医学会の教育施設(日本リハ医学会認定の指導医が常勤医師として勤務している)です
- *県奨学金B→千葉県医師修学資金貸付制度地域B群
- 本プログラムへの参加を希望する場合は、できるだけ早めにご相談・ご連絡をいただきたく思います(施設見学は、随時で受け付けています)。
- 2028年度以降については、未定です。
なお、当教室は2021年5月7日に、主に本学の医学生を対象として「リハビリテーション科医師の魅力(=如何にすれば、リハビリテーション科医師になることができるのか)」についてのWeb講義を行いました。当教室における後期研修プログラムへの参加を考えている方は、ぜひこのWeb講義の配布資料(PDF)をご覧ください。
リハビリテーション科専門医を取得するためには?
前述のごとく、3年間の「リハビリテーション科後期研修プログラム」を修了すれば、「
リハビリテーション科専門医試験
」を受験することができます(受験する資格を得ることができます)。多くの場合は、プログラムを終了した同年に専門医試験を受験することとなります(通常はプログラムの終了が3月、専門医試験の施行が夏~秋頃です)。そして、「リハビリテーション科専門医試験」を合格すれば、「
リハビリテーション科専門医
」として認定される(リハビリテーション科専門医を取得する)こととなります。
リハビリテーション科専門医試験は、ペーパー試験と面接試験から構成されており、例年ではその合格率は80~90%程度です。当教室の後期研修プログラムは、「リハビリテーション科専門医試験の(一発)合格」を強く意識して考案されているため、「
当教室の3年間の研修プログラムを終了すれば、自ずと専門医試験に合格できるだけの知識と技術が備わっている
」ことになると思います。
当教室における博士号(医学博士)の取得
当教室においては、リハビリテーション科医師のための大学院コースとしては「
医学研究科 医学専攻 臨床医学研究分野(リハビリテーション医学)博士課程
(3年間)」があります(当教室の大学院コースの詳細については、別項「大学院教育」を参照)。本コースを修了すると、「
医学博士(PhD:Doctor of Philosophy in Medical Science)
」を取得することができます。本学の大学院は「
働きながら学べる
」ことが特徴であるため、医師の場合は日中は(普通に)病院で仕事をして、夜間や休日に大学院の勉強や研究を行うという生活スタイルが一般的となります。
リハビリテーション科医師の場合、後期研修プログラムの終了と同時に、大学院の本コースに進学する医師が多いようです(他大学の現状から)。しかしながら、それを待たずして「初期研修終了後に」もしくは「後期研修中に」大学院に入学することも可能です。
医学部を卒業した皆様であれば、「リハビリテーション科医師でありながら、リハビリテーション医学研究者でもある」という(実に味わい深い)人生を歩むことが可能です。そして、研究活動に時間を割くことで、臨床医としての能力・視点・センスがより高まることは間違いありません。ぜひ若い時期に大学院に進学して、(臨床医としてのみならず)研究活動にも携わることをお勧めします。もちろん、学位(医学博士)を取得しておいたほうが、将来的な選択肢が増える(ポジションを得る際に有利になる)ことは言うまでもありません。