成田キャンパス
リハビリテーション医学教室

リハビリテーション医学教室

大学院教育

当教室における大学院教育

 当教室には、医師もしくは理学/作業/言語療法士を対象とした3つの大学院コースがあります。すなわち、①医療福祉学研究科保健医療学専攻 リハビリテーション学分野修士課程(2年間)、②医療福祉学研究科保健医療学専攻 リハビリテーション学分野博士課程(3年間)、③医学研究科医学専攻 臨床医学研究分野(リハビリテーション医学)博士課程(4年間)の3つのコースがあります。

 医師の場合は、③医学研究科医学専攻 臨床医学研究分野(リハビリテーション医学)博士課程に進学して、「幅広いリハビリテーション医学の領域から、最も興味がある分野を選び、それについて世界に誇れるような(国際学会で発表できる、英語論文として報告できる)研究を進めていく」こととなります(医師の大学院進学については、別項 「当教室における博士号の取得」も参照)。
 理学/作業/言語療法士の場合は、「理学/作業/言語療法学の範疇だけにはとどまらない、分野を横断する(リハビリテーション "医学" に近い)研究」に打ち込んでいただくこととなります。医学(主に医師による)と理学/作業/言語療法学には重なる部分もあればそうでない部分もありますが、当教室の大学院では、理学/作業/言語療法士の方には、下図の斜線部分(両者が重なる部分もしくは主に医学が扱う部分)を研究テーマにしていだたくつもりです。

  • 当教室で学ぶ大学院生(理学/作業/言語療法士)の研究テーマ

  • リハ科療法士が研究をしなければ、リハ医学の進歩はない!

 原則的には全ての大学院生に対して、主任教授 角田亘が直接に研究指導を行います。
本学の大学院は、いずれのコースであっても「働きながら学べる」ことが特徴であるため、日中は(普通に)病院で仕事をして、夜間や休日に大学院の勉強や研究を行うという生活スタイルが一般的となります。

 現在に当教室の大学院生が行っている研究のうち、主なものを以下に挙げます。

  • 脳波コヒーレンス解析を用いた、脳卒中後の神経機能回復メカニズムの研究(脳波コヒーレンス解析を用いることで、リハビリテーション訓練による神経ネットワークの再構築の成り立ちを明らかにする研究です)
  • 神経難病に対する呼吸リハビリテーションの研究(主に多系統萎縮症を対象として、呼吸リハビリテーションが身体機能に与える有益効果を詳細に検討する研究です)
  • 介護者が抱く転倒恐怖感に関する研究(転倒恐怖感の評価スケールの確立を目指す研究です)
  • 閉塞性動脈硬化症(下肢)に対する運動療法の研究(症状の増悪を運動療法で防ぐことを目指した研究です)。

 3つの大学院コースの特徴は、以下の表のごとく要約されます。

  • 当教室における3つの大学院コース

 なお、「修士課程を修了した理学/作業/言語療法士」であれば、②医療福祉学研究科保健医療学専攻 リハビリテーション学分野博士課程、もしくは③医学研究科医学専攻 臨床医学研究分野(リハビリテーション医学)博士課程(医学博士を取得できる)のいずれにも進学することができます。しかしながら、「医学博士を取得した理学/作業/言語療法士の希少価値は非常に高い」、「より自由に(分野の隔たりなく)スケールの大きな研究に打ち込める」などの点から、修士課程を修了した理学/作業/言語療法士の方々には(②よりも)③医学研究科医学専攻への進学をお勧めします。
 ③医学研究科医学専攻に進学した場合、最終的に医学博士を取得する際には、「確固たるインパクトファクターをもつ英文雑誌への英語論文投稿/掲載」が必要(条件)となります。英語論文の執筆と聞くと「ややハードルが高い」との印象を受けるかも知れませんが、これについては、すでに数十本の英語論文掲載の経験をもつ主任教授 角田亘が懇切丁寧に指導をいたします。

大学院生からのひとこと

鄭飛(医学研究科医学専攻臨床医学研究分野)
より専門的な知識や技術を身に付けたいという思いから、私は大学院に進学しました。大学は社会に出て活躍するための土台を作る場であるのに対し、大学院は己の限界に挑戦する場、社会でより活躍するためにさらに自分を鍛える場であると思います。本学のリハ医学教室に所属して、国際学会での発表や国際的ジャーナルへの論文投稿の経験を積むことで、間違いなく研究の幅が広がり多角的視点を持つことができるようになります。国際交流を通じて新たな価値観を見つけることもできます。大学院進学によって、様々な面での成長を実感することができます。

浅川孝司(医学研究科医学専攻臨床医学研究分野)
大学院の博士課程では前向き研究が求められます。1症例ずつデータを積み重ねていくときのワクワク、ドキドキは日々の臨床とは異なる経験となります。なぜならばそれは、「世界で自分しか知らない事実」を少しずつ実感していくわけですから。一方で、「自分の研究は本当にうまくいくのか」などと不安な気持ちもつきまといます。しかしながら、自分の研究のために遠方より来院してくださる患者様を見ると、責任感を感じると同時に「頑張らねば」との思いが高まります。医学・医療は公益性が求められます。「本質的な臨床疑問に明確な答えを出す」ことを学び、実践できる場所が大学院です。ぜひ、博士課程で学び患者さんに還元できる研究を目指しましょう。

当教室の大学院への進学を希望する方(もしくは興味を持った方)は、いつでも主任教授 角田亘までご連絡・ご相談ください。

代表 角田亘(かくだわたる)E-mailアドレス:wkakuda@iuhw.ac.jp