成田キャンパス
放射線医学教室

放射線医学教室

教室紹介

ディープラーニングの医療画像おける有用性検討

桐生茂
ディープラーニングによる診断、医療画像の再構成法を検討します。CT、MRI、PETにおける有用性を評価して、論文化をすすめています。

  • Eur Radiol. 2020 Jun;30(6):3549-3557. doi: 10.1007/s00330-020-06677-0.
  • Eur Radiol. 2019 Dec;29(12):6891-6899. doi: 10.1007/s00330-019-06327-0.
  • Eur Radiol. 2018 Nov;28(11):4578-4585. doi: 10.1007/s00330-018-5499-7.
  • Jpn J Radiol. 2018 Apr;36(4):257-272. doi: 10.1007/s11604-018-0726-3.
  • Radiology. 2018 Apr;287(1):146-155. doi: 10.1148/radiol.2017171928.
  • Radiology. 2018 Mar;286(3):887-896. doi: 10.1148/radiol.2017170706.

Radiomics研究

桐生茂
画像特徴量として不均一性を定量化して、予後予測や疾患の予測を検討します。胸腺腫のサブタイプの予測、切除前肝細胞癌の予後予測、NASHのCTによる予測などについて論文を発表してきました。主にLOGフィルターを適応したtexture解析を行っています。

  • Sci Rep. 2020 Jan 16;10(1):472. doi: 10.1038/s41598-020-57427-7.
  • Diagn Interv Imaging. 2018 Oct;99(10):643-651. doi: 10.1016/j.diii.2018.05.008.
  • Eur Radiol. 2018 Jul;28(7):3050-3058. doi: 10.1007/s00330-017-5270-5.
  • Eur J Radiol. 2018 Mar;100:85-91. doi: 10.1016/j.ejrad.2018.01.017.
  • Sci Rep. 2017 Oct 4;7(1):12689. doi: 10.1038/s41598-017-12688-7.
  • Eur J Radiol. 2017 Jul;92:84-92. doi: 10.1016/j.ejrad.2017.04.017.
  • Medicine (Baltimore). 2017 May;96(21):e6993. doi: 10.1097/MD.0000000000006993.

頭部MRIにおけるガドリニウム造影剤蓄積と行動異常の関連についての検討

桐生茂
MRIにおけるガドリニウムの脳実質への蓄積による行動異常の有無をマウスを用いて検討します。本学薬学部および東大医科学研究所との共同プロジェクトです。

  • Radiology. 2021 Aug 31:210892. doi: 10.1148/radiol.2021210892.

高齢がん患者に対する高齢者機能評価と放射線治療の実態調査

大西かよ子
高齢がん患者は、さまざまな身体的・社会的背景を有しているため、一概に年齢だけで治療方法を決めることは望ましくなく、全身状態・併存疾患・身体機能・認知機能・生活習慣などを考慮して治療を行うことが推奨されます。しかしながら、現在のところ、高齢がん患者に対して行う放射線治療方法に関して、明確な指針はありません。従って、まず高齢がん患者にどのような放射線治療が行われているか、放射線治療によって生活の質(Quality of life)がどのように変化しているか等を明らかにするために、国内の15の施設と協力して高齢がん患者に対する放射線治療の実態調査を行っています。

転移性骨腫瘍による疼痛の客観的評価における、心拍変動解析の有用性に関する多施設前向き研究

大西かよ子
がんの骨転移に伴う疼痛の評価は、Numerical rating scale (NRS)やVisual analogue scale (VAS)などの主観的な評価方法が広く用いられています。しかし、意思表示が困難な患者では疼痛を過小評価してしまう恐れがあります。一方、疼痛の過大評価の弊害もあり、欧米では麻薬性鎮痛薬の乱用が社会的問題となっています。疼痛と自律神経活動との間には神経学的に密接な関係があることから、自律神経機能評価方法のひとつである心拍変動解析が、疼痛の客観的な評価方法となる可能性があります。我々は、がん・感染症センター都立駒込病院を中心とする国内の7つの施設と協力し、疼痛の客観的評価方法としての心拍変動解析の有用性を検証しています。

X線透視下手技の放射線防護における防護デバイスの遮蔽効果に関する検討と新たなデバイス開発

赤羽正章
水晶体のしきい線量が従来考えられていたよりも低いであろうことが判明し、これを受けて我が国においても職業被ばくの水晶体等価線量限度を5年間の平均で20mSv/年かつ年間最大50mSvまで引き下げることになりました。特にX線透視を用いた治療手技の術者について、線量限度超過のリスクが懸念されています。防護メガネ着用を前提として水晶体等価線量を適切に算定し管理するためには、防護メガネの種類や線量計装着位置や術者体位の違いが線量算定に与える影響についての知見を蓄積する必要があります。我々はX線透視を用いた治療手技を模して散乱線を発生させる実験系を活用し、X線防護メガネの種類による被ばく低減効果の違い、頭部の方向が防護メガネの効果に与える影響、線量計の位置が線量の実測値に与える影響、実臨床における防護メガネの効果のばらつき、防護グラスと顔面の隙間の大きさと遮蔽効果の関係、防護グラスと顔面の隙間を減らすデザインの開発とその遮蔽効果の解析、防護メガネと顔面の間の空間線量分布、等、水晶体等価線量限度引き下げに対応するための重要な検討を進めています。

脳腫瘍を対象としたRadiomics研究

國松聡
脳腫瘍の画像診断ではCTやMRI等で得られる病変の画像所見が紛らわしいことがしばしばあり、視覚的な画像診断に難渋することがあります。腫瘍の画像の特徴を統計解析の知識をもちいて定量化し従来よりも精度の高い診断や治療効果判定をめざした研究分野であるradiomicsも脳腫瘍を対象に広まりつつあります。我々は、種々の画像フィルタや1次、2次、高次の画像特徴量を駆使して、包括的なデータから統計学的に意味のある特徴量を探し出し、新たな診断法や画像バイオマーカーの確立を目指しています。

  • Eur J Radiol. 2021 Aug;141:109776. doi: 10.1016/j.ejrad.2021.109776.
  • Eur Radiol. 2021 Jun 16. doi: 10.1007/s00330-021-08105-3.
  • Front Psychiatry. 2021 Jun 10;12:667881.

複合現実デバイスを用いたインターデンショナルラジオロジーへの応用

吉岡直紀
昨今のIT技術の著しい進歩により、高機能の複合現実(Mixed Reality)デバイスの低コスト化がすすんでいる。このようなデバイスの臨床への応用の研究、具体的には、CT下バイオプシー等において、術者に、リアルタイムで適切な情報を提供することにより、より安全で確実な手技の実践を行うための研究をすすめている。

男性不妊を来す疾患の画像診断体系の構築

太田智行
主に精子の性状、内分泌検査、染色体異常などで病状を評価することの多い男性不妊症ですが、以前から行われていた超音波検査による精索静脈瘤以外でも、MRI検査時に収集されるADC値などで造精機能の評価ができることが知られてきており、男性不妊症の評価に画像診断も有用であることが少しずつ明らかになっています。精細管径が正常に近い箇所では造精機能が温存されていることが既に良く知られていますが、超音波の最新機器に搭載されている超高解像度探触子を用いると、精細管径の評価ができる可能性があります。我々は、超高解像度の超音波画像とMRI検査を組み合わせることで、男性不妊症の画像診断体系を構築できると考えており、泌尿器科医師、リプロダクションの専門家と共に、この問題に挑戦しています。