医学生・研修医の方へ
国際医療福祉大学医学部乳腺外科学講座は2017年4月の本学医学部開設とともにスタートしました。新しく開設された講座ですので、これから一緒に教室創りに協力してくれる若い医師を募集しております。研修医のほかに外科専門医資格取得予定の方や既に専門医の資格を取得済みの方も大いに歓迎いたします。
外科研修は基幹施設となる国際医療福祉大学成田病院(千葉県成田市)および研修連携施設となる国際医療福祉大学三田病院(東京都港区)、国際医療福祉大学市川病院(千葉県市川市)、国際医療福祉大学病院(栃木県那須塩原市)、国際医療福祉大学塩谷病院(栃木県矢板市)、国際医療福祉大学熱海病院(静岡県熱海市)で行うことができます。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
研修の方針、専門医取得について
外科専門研修プログラムに則り、外科専門医を取得する。外科専門研修プログラムの研修期間は3年以上とする。外科研修では医の倫理を体得し、一定の修練を経て、診断、手術適応判断、手術および術前後の管理・処置、合併症対策など、一般外科医療に関する標準的な知識とスキルを修得し、プロフェッショナルとしての態度を身に付ける。規定の手術手技を経験し、一定の資格認定試験を経て外科専門医を取得する。
また、外科専門医取得後はサブスペシャルティ領域(消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科、乳腺外科、内分泌外科)の専門医(乳腺専門医)取得のために必要な最新の知識・テクニック・スキルを継続して学習し、安全かつ信頼される医療を実施する。外科専門研修中およびそれに引き続き日本乳癌学会乳腺専門医カリキュラムを達成できるように研修を行う。
日本乳癌学会 乳腺専門医修練カリキュラム (平成 30 年 3 月 30 日改訂)
1.一般目標1
1) 乳腺疾患全体を包括した専門医としての知識、臨床的判断能力、問題解決能力を習得する。
2) 各専門分野における診療を適切に遂行できる技術を習得する。
3) 医学、医療の進歩に合わせた生涯学習を行う方略、方法の基本を習得する。
4) 自らの研修とともに上記項目について後進の指導を行う能力を習得する。
2.到達目標2(基礎的知識)
各専門分野の乳腺診療に共通して必要な下記の基本的知識を習熟し、臨床に即した対応ができる。
1) 解剖
正常乳房の組織像、乳房腋窩領域の解剖を理解している。
2) 乳腺の生理とホルモン環境
性周期と乳腺、妊娠・授乳期乳腺、加齢、肥満、ホルモン補充療法(HRT)、ピルなどによる乳腺の変化に関する知識を習得している。
3) 疫学
乳癌の疫学に関する一般的事項(罹患率、死亡率、再発形式)、家族性乳癌、危険因子などに関する最新のデータを認知している。
4) 病理
下記乳腺疾患のマクロ・ミクロの病理を理解し、画像診断との対比ができる。
(1) 先天異常と発達異常
(2) 良性疾患:炎症、乳腺症、乳管内乳頭腫、乳頭部腺腫、腺腫、線維腺腫、葉状腫瘍、乳管拡張症、炎症性偽腫瘍、女性化乳房症、その他
(3) 悪性疾患:非浸潤性乳管癌、非浸潤性小葉癌、乳頭腺管癌、充実腺管癌、硬癌、特殊型、Paget 病、炎症性乳癌、妊娠関連乳癌、非上皮性腫瘍、病理組織悪性度の分類、その他
5) バイオロジー
乳癌の自然史、増殖・進展、ヘテロジェナイティ、ホルモンレセプター、癌関連因子などのバイオロジーに関する最新の知見を習得している。
6) 検診
(1) 世界および我が国における乳癌集団検診の考え方と現状を把握している。 (2) 乳癌の自己検診法を理解している。
3.到達目標2(基本的診療技術)
乳腺疾患の診療に必要な知識、検査、処置に習熟し、EBMに基づいた診療を行うことができる。
A.診断
1) 問診・病歴・視触診
乳腺疾患患者の問診・視触診を行うことができる。
2) 病期分類
乳癌取扱い規約および UICC による乳癌の病期分類ができる。
3) 画像診断
(1) マンモグラフィ:画像評価および読影(カテゴリー分類など)ができる。
(2) 乳房超音波検査、乳管造影、MRマンモグラフィ、乳腺CT、胸部CT、上腹部CT、腹部超音波検査、骨シンチグラフィ、頭部CT、頭部MRI、骨MRI:適応を決定し、読影することができる。
(3) 上記画像診断の各種検査法の特性を理解して検査計画を作り、総合診断ができる。
4) 腫瘍マーカー:適応を決定し、検査結果を評価できる。
5) 擦過細胞診・穿刺吸引細胞診、針生検、吸引式組織生検(マンモトーム)、外科的生検:適応を決定し、結果を理解することができる。
6) センチネルリンパ節生検の実施方法と意義を理解している。
B.治療
1) 乳腺の良性疾患および悪性疾患に対して問診・視触診・画像診断などの結果に基づいた適切な治療方針を決定することができる。
2) 乳癌に対する外科治療、放射線治療、化学療法および内分泌療法の役割を理解し、それぞれの適応を決定することができる。
3) 乳癌に対する緩和医療の内容を理解し、適応を決定することができる。 4) 乳癌根治術後リハビリテーションの意義を理解している。
C.医療倫理など
1) 最新のEBMを検索し、その結果を臨床応用できる。
2) 患者側に診療方針選択の権利があることを理解し、適切なインフォームド・コンセントを得ることができる。
3) セカンドオピニオンを求めてきた症例に対し適切な説明を行うことができる。
4) 臨床試験の意義を理解し、参加することができる。
4.到達目標3(専門的診療技術)
行動目標
下記の各専門分野別に乳腺疾患の診療内容を理解し、EBMに基づいた医療を実施できる能力を習得し、臨床応用できる。
A.外科療法
担当医として乳腺外科に包含される主要な疾患に対する診断と治療をもれなく経験することを必要とする。
1) 診療対象:下記の乳腺疾患の定められた症例数以上の診療経験を必要とする。
(1) 乳癌 100 例
(2) 乳腺症 30 例、線維腺腫 20 例、女性化乳房症5例
(3) 思春期早発症、副乳、乳管拡張症、乳汁漏出症、周期性乳房痛(月経依存性)、乳瘤、急性乳腺炎、産褥乳腺炎、乳輪下膿瘍、乳管内乳頭腫、乳頭部腺腫、腺腫、葉状腫瘍、Paget 病、肉腫:これらの疾患について合計 20例
2) 診断:下記の検査について定められた件数以上の診療経験を必要とする。このうち、1つの項目について 200 例以上の経験を有しなければならない。
(1) マンモグラフィ:読影経験 100例
(2) 乳房超音波検査:読影経験 100例
(3) MRマンモグラフィまたは乳腺CT検査:読影経験 30例
(4) 穿刺吸引細胞診:実施経験 20例
(5) 針生検(または吸引式組織生検):実施経験 10例
3) 治療:下記の治療法について定められた件数以上の経験を必要とする。このうち、乳房切除術、乳房温存手術などの乳癌手術は、術者または指導者として 100 例以上経験しなければならない。
(1) 乳房切除術 30 例、乳房温存術 30例
(2) 切開排膿術、腫瘤摘出術、再発巣切除術の合計 20例
(3) 内分泌療法 30例
(4) 化学療法 30例
(5) 乳癌根治術が必要な患者を担当し、術前評価、術前管理、インフォームド・コンセント、術後管理ができる。
(6) 乳癌術後リハビリテーションの患者への指導ができる。
(7) 乳癌に対する術前化学療法の適応を決定し、実施することができる。
(8) 乳癌術後の補助療法の適応を決定することができる。
(9) 乳癌術後の適切なフォロー・アップができる
学位取得について
国際医療福祉大学では2018年4月より大学院キャンパスを東京赤坂キャンパスに医学研究科医学専攻(博士課程)を新設しました。事前に指導教員と相談の上、希望する研究内容を決定し、大学付属病院で臨床研修を行いながら学位取得が可能です。
お問い合せ
入局をご希望、ご相談は、下記までご連絡をお願いします。
国際医療福祉大学医学部
International University of Health and Welfare, School of Medicine
〒286-8686 千葉県成田市公津の杜4-3
電話: 0476-20-7708(直通) FAX: 0476-20-7702
乳腺外科学 Department of Breast Surgery
代表 Chair Professor
堀口 淳 Jun Horiguchi, MD, PhD
E-Mail:junhorig@iuhw.ac.jp