成田キャンパス
脳神経内科学教室

脳神経内科学教室

診療概要

 国際医療福祉大学は6つの大学病院(①成田病院、②栃木県那須塩原市の国際医療福祉大学病院、③栃木県矢板市の塩谷病院、④東京都港区の三田病院、⑤千葉県市川市の市川病院、⑥静岡県熱海市の熱海病院)を擁しております。それぞれに特徴を持っており、お互いに連携をしながら診療を行っております。ここでは主に成田病院の取り組みについて記載します。

脳血管障害

 脳血管障害は神経救急疾患の代表的なものです。何よりも大切なのは早期に治療を開始することです。脳神経内科では脳神経外科と連携をとりながら急性期の脳血管障害を24時間受け入れ、急性期の血栓溶解療法(tPA治療)や血栓回収療法を行っております(血栓回収は脳外科医施行)。さらに、病型に応じた適切な治療の選択と手厚いリハビリテーションを行い、病状に応じて回復期病院と連携をとることで最大限の機能改善をめざします。

てんかん

 てんかんは当院のもっとも得意とする分野の一つです。案外知られていませんが、高齢になるほどてんかんの頻度は増加します。この高齢化社会でてんかんの患者さんは激増しています。ところが一般の病院では病型に応じた適切な治療薬が投与されていなかったり、ほんとうはてんかんではない発作に抗てんかん薬が投与されていたりすることがあります。成田病院では脳神経内科が中心となっててんかん診療を行なっており、脳波ビデオモニタリングによりてんかんを正確に診断し、手術を含め適切な治療法を選択します。

神経免疫疾患

 神経免疫疾患は治療が日進月歩の領域です。代表的な疾患としては多発性硬化症、視神経脊髄炎関連疾患、重症筋無力症、自己免疫性脳炎、ギラン・バレー症候群などがあります。この領域では近年分子標的薬が数多く導入され、ステロイド一本槍だった一昔前と比べると治療シーンが激変しています。神経免疫疾患の治療は専門性が著明に出る分野であり、治療者によって予後が異なってくると言っても過言ではありません。当院では神経免疫領域の専門医が最新の治療法を駆使して診療しています。

認知症

 人口の高齢化に伴い、アルツハイマー型認知症をはじめとした認知症疾患は激増しています。これはもはや医学の領域を超え人類全体の社会問題と言っていいでしょう。そのようななかで認知症診療は急務です。当科では認知症専門医の指導のもと認知症患者の診療を行っています。神経心理検査、頭部MRI、脳血流SPECTを施行、さらに患者さんの神経症状に応じてMIBG心筋シンチ、DATスキャン、髄液バイオマーカーなどを追加することにより正確に診断を下し、丁寧にフォローします。近い将来アミロイドPETも稼働する見込みで、アルツハイマー型認知症に関するアミロイドPET画像と遺伝子解析の研究をスタートする予定です。

神経変性疾患

 神経変性疾患にはパーキンソン病、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症などが含まれます。パーキンソン病は治療により症状の改善がみられますが、それ以外の疾患はなかなか治療に反応しにくいのが現状です。そのようななかでも脳神経内科医として何ができるかを探索し、患者さんの意向をふまえながら提供すること、そしてそれを将来の治療へつなげていくことの重要性を認識し、そのような姿勢で患者さんを診療しています。当学では那須塩原市の国際医療福祉大学病院、市川市の市川病院で神経難病センターが稼働しており、神経変性疾患の診療を積極的に行っています。

頭痛

 全人口の約30%程度が頭痛に悩まされているといわれます。頭痛は頭痛薬を飲めば終わり、ではありません。頭痛は人生のQOLを大きく阻害します。詳細な問診と画像診断を通して正確な診断を下し、それに応じた治療を行うことが必要です。最近では片頭痛にも分子標的治療薬が登場し、患者さんのQOL改善に大きく役立っています。当科には日本頭痛学会の指導医が在籍し、的確な診療を行っています。

筋疾患

 筋疾患の診断は容易ではありません。詳細な神経学的診察に加え筋電図や筋生検を経て診断にたどり着くことがほとんどです。当科では昨年、病理学教室との連携ができ、筋生検が施行できる体制が整いました。さらに基本的染色で診断できない特殊な筋疾患については国立精神・神経医療研究センターとの連携で診断可能となりました。

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