成田キャンパス
呼吸器内科学教室

呼吸器内科学教室

診療概要

診療科の特徴

国際医療福祉大学は多くの関連病院を持っています。また、千葉大学医学部附属病院での勤務経験がある医師が多く、密な連携を取る事が可能です。さらに、国際医療福祉大学成田病院が位置する東総・北総エリアには、成田赤十字病院や旭中央病院といった拠点病院があります。これらの各施設と連携し、臨床および教育施設としての機能を強化して参ります。
アレルギー・間質性肺炎治療や気管支鏡検査、肺高血圧症、そして睡眠呼吸障害を含めた呼吸器疾患全般の先進的治療をめざします。近年は肺癌診療も進歩が目覚ましく、免疫チェックポイント阻害薬が次々開発されています。当科はがん薬物療法指導医も在籍しており、最新の治療レジメンを実施可能です。さらに、病診連携の強化を目標に、呼吸器疾患の診断・治療および患者教育に力を入れています。

診療内容1:気管支喘息や間質性肺炎の最新治療

気管支喘息の治療は年々進歩していますが、未だに年間1,500名を超える患者さんが発作により死亡しています。当科では吸入治療などの他、生物学的製剤や気管支サーモプラスティーといった最新の治療を組み合わせて診療に当たります。
間質性肺疾患は比較的稀な疾患ですが、特発性間質性肺炎(原因不明の間質性肺炎)、膠原病など全身性疾患に伴う間質性肺炎、過敏性肺臓炎、薬剤性肺炎など多岐に渡ります。研究段階の部分もありますが、抗線維化薬など積極的な診療を行っています。

診療内容2:睡眠呼吸障害

睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気や疲労の誘発のみならず、心疾患のリスクを高めるとされています。これらは適切な診断と治療で軽減できるとされますが、診断に至らない方も数多くいらっしゃいます。当科には睡眠呼吸障害・呼吸生理を専門とする教授と日本睡眠学会専門医が在籍しています。睡眠ポリグラフ検査の生データ解釈、入院診療における呼吸管理、在宅人工呼吸器の調整などを通じて診療に貢献していきます。

診療内容3:肺高血圧症

肺高血圧症は希少疾患であり、専門医が少なく適切な診断・治療が難しいという課題があります。かつては不治の病とされ、診断がついた時点で余命数か月という病気でした。しかし選択的肺血管拡張薬の登場で生命予後が大きく改善しました。この20年でこれだけの改善が可能となった病気は他にありません。肺高血圧症の原因となる基礎疾患はさまざまな領域に及び、関わる診療科も多岐にわたります。肺動脈性肺高血圧症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症、膠原病関連肺高血圧症、呼吸器疾患関連肺高血圧症、肺高血圧症全般など、当院では循環器および膠原病・アレルギー内科の先生方と協力体制を整え、エビデンスに沿った最善の診療を提供致します。

診療内容4:胸部悪性腫瘍の診断と治療

わが国の肺がんの患者数は13万人、死亡者数7万以上とまだまだ増加傾向にあります。
ゲノム医療の進歩に伴い、肺がん領域の検査や治療法の技術革命はここ数年で非常に目覚しいものがあります。しっかりした診断と効果的な薬剤を組み合わせて治療を行えば、5年以上の生存率が得られるチャンスが以前より確実に増えています。当科では最新の気管支鏡や遺伝子診断など、最先端の医療技術をいち早く取り入れ、抗がん剤、分子標的薬、免疫療法などの薬物の最大限の効果を発揮すべく治療を行っていきます。患者さんの治療方針は、内科だけでなく、外科、放射線科、腫瘍内科、緩和医療科などとディスカッションしつつ決めていきます。また当院は総合病院ですので、副作用対策や緩和医療、がん罹患時の就労対策などもしっかり行います。さらに大学病院の責務として、肺がんや中皮腫に関する治験や臨床試験など、新たな治療法の開発にも取り組んで参ります。