研究室レポート:乳腺外科学教室
学生レポート:䑓 崚 医学部医学科(3年)
■所属する研究室名を教えてください。
乳腺外科学教室です。
■どんな雰囲気の研究室ですか?
先生のご指導が手厚く、伸び伸びと活動できます。自分のやりたいことを「やりたい」と叫べる自由度が売りの研究室です。
■研究室での活動内容や研究テーマを教えてください。
がんに対する治療標的バイオマーカーの研究をしています。
■研究テーマを選んだ理由(きっかけ)を教えてください。
現在の乳がんに係る課題を突き詰めたことがきっかけです。検査方法と薬の各々の不完全を掛け合わせ、AIを用いて取り組めば、圧倒的な発見が得られると考えています。先生の「患者さんのためになることをしよう」と言う言葉を常に念頭に置き、患者さんのペインを追体験していくことこそ研究の醍醐味・使命であることを学びました。
■研究テーマについて今後の展望を教えてください。
未来への展望として、AI技術を活用したがん治療標的の特定に向けて、より精密なデータ解析を進め、個別化医療の新たな道を切り開くことをめざしています。乳がん治療に関わる様々なバイオマーカーを特定し、より効果的な治療方法の開発に貢献できるよう研究を深めていく予定です。患者さん一人ひとりに合った治療法の確立をめざし、臨床への応用を視野に入れた研究を推進していきます。
指導教員レポート:黒住 献
■研究室での研究内容を教えてください。
医学部キャンパスで、免疫組織学的研究をメインに実験手技を学んでいただいています。また、バイオインフォマティクスや人工知能解析といったデジタルツールを用いた研究にも参加していただいています。
基本的には、長期間、課外研究活動に参加できる1年生から4年生を対象にしています。ただし5年生や6年生も国家試験に影響がない範囲で参加していただいています。
■学生の研究について、研究に取り組む姿勢などどのようなことを重視しますか。
自主性と探求心を重視します。我々の課外研究活動では、まずご自身の興味があることを進めていただくことを念頭に入れています。興味がわくためには、自分で病気のことを調べて、今なにが分かっていて、なにが分からないことなのかを理解しないといけません。興味を持たれた研究課題に対して、研究遂行の手法を学びながら、複数年にまたがって1つの研究課題を論文化まですることで、ぜひ医学研究の楽しさを学んでいただけましたら幸いです。
■研究室における学生の研究の到達目標はありますか。
乳腺外科学講座の課外活動ですので、ベースは乳癌となります。例えば、「研究を立案してみる→デジタル技術を用いたドライ研究を学ぶ→免疫組織学的染色法などのウェット研究を学ぶ→発表や論文作成のために必要な統計解析を学ぶ→学会発表の仕方や論文の書き方を学ぶ」といった医学研究の流れを指導医と一緒に気長に進めながら、研究遂行の基本的な手順を学んでいただけたら幸いです。できれば最終的にはご自身で研究成果を学会発表や論文投稿という形で完結させるところまでいけたらいいなと思っています。
■研究室の環境、雰囲気、アピールポイントなどを教えてください。
前述の通り、まず自主性を重んじています。学生生活を謳歌しながら、無理のない範囲で課外研究活動を有意義に進めてもらえたら嬉しいです。今はオンラインでのミーティングができるようになり、指導医への相談もしやすくなっています。原則は長い期間での参画が望まれますが、短期見学や勉強会への参加のみも歓迎いたします。研究の流れに学生さんのうちから慣れておけば、きっと多忙な臨床の現場に出ても、その合間に研究を並行して行っていくこともできるのではないかと思います。ぜひ医師になった時にも活用できる実践的な研究方法について学んでいただけましたら幸いです。