尾張剛さん(2021年度大学院博士課程修了)の研究成果が国際誌にアクセプトされました
この度、2021年度大学院博士課程修了の尾張剛さん(指導教員:西田裕介教授、副指導教員:河野健一准教授)の研究成果が「国際誌International Journal of Rehabilitation Research(Impact factor:1.8)」にアクセプトされました。タイトルは「Association between depressive symptoms and heart rate variability in older patients admitted for rehabilitation: a cross-sectional study」です。本研究は、尾張先生が本学大学院博士課程で研究された成果の一部となります。成田キャンパス理学療法学科では、質の高い研究活動を通して、国民の健康に貢献していきます。尾張先生の益々の活躍を期待しています。
【尾張先生のコメント】
この度、大学院博士課程で取り組んだ研究成果の一部が国際誌International Journal of Rehabilitation Researchにアクセプトされました。本研究は、心拍変動解析がうつ症状の評価として有用であるかを検証する研究の一部になります。臨床で少しでも患者様のお役に立てばと思います。本論文の執筆にあたり、ご参加いただいた患者様、多大なるご指導を賜りました西田教授、河野准教授、ならびに関係する方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。今後も目の前の患者様のため、理学療法学の発展のために貢献できるよう研鑽を続け、研究活動に励んで参ります。
【論文概要】
本研究は、リハビリテーション入院中の高齢者の心拍変動(Heart rate variability: HRV)とうつ症状の関連性を調査しました。65歳以上の50人の参加者を対象に、うつ症状の評価として高齢者用うつ尺度(Geriatric Depression Scale)を、HRVは周波数解析を実施し評価しました。その結果、VLF HRV(交感神経活動の指標)とShort Physical Performance Batteryスコア(身体機能の指標)がうつ症状と負の関連性を持つことが示されました。つまり、HRVが低く、身体機能が低いほど、うつ症状の重症度が高いことが示されました。この結果から、VLF HRVはリハビリテーション入院中の高齢者のうつ症状を検出する有用なバイオマーカーとなり得ることが示唆されました。