成田キャンパス

学科トピックス

尾張剛さん(2021年度大学院博士課程修了)の研究成果が国際誌にアクセプトされました

2022.05.24

 この度、2021年度に本学大学院博士課程修了の尾張剛さん(指導教員:西田裕介教授、副指導教員:河野健一准教授)の研究成果が国際誌Progress in Rehabilitation Medicineにアクセプトされました。タイトルは「Association between depression and heart rate variability in rehabilitation ward patients with musculoskeletal dysfunction: a pilot study」です。本研究は、尾張さんの博士研究の成果の一部となります。成田キャンパス理学療法学科では、充実した大学院教育が展開されているのも特長の一つです。また、質の高い研究活動を通して、国民の健康に貢献していきます。尾張さんの益々の活躍を期待しています。

【尾張剛さんのコメント】
 この度、修士課程で取り組んだ研究成果の一部が国際誌Progress in Rehabilitation Medicineにアクセプトされました。本研究は心拍変動解析がうつ症状の評価として有用であるかを検証する研究の一部になります。臨床で少しでも患者様のお役に立てばと思います。本論文の執筆にあたり多大なるご指導を賜りました西田教授、河野准教授、ならびに関係する方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。今後も目の前の患者様のため、理学療法学の発展のために貢献できるよう研鑽を続け、研究活動に励んで参ります。

【論文概要】
 うつ症状はリハビリテーション介入効果に負の影響を及ぼすため、早期のスクリーニングが必要です。しかし、うつ症状を質問紙で評価できない患者も少なくないため、質問紙だけでなく客観的に捉える方法を検証する必要があるとされています。そこで本研究では、自律神経機能を非侵襲的で簡便に評価できる心拍変動解析に着目し、自律神経機能とうつ症状との関連を明らかにすることを目的としました。回復期リハビリテーション病棟入院患者10名のうつ症状と、自律神経機能との関連を検討した結果、うつ症状と心拍変動のvery-low frequency(交感神経活動の指標)に強い負の相関関係が認められました。この結果より、うつ症状が強い患者ほど、交感神経活動が亢進していることが示唆されました。今後、心拍変動のvery-low frequencyが、うつ症状の評価において有効な指標であるか更なる研究が必要であると考えております。