成田キャンパス

学科トピックス

研究室レポート:分子生物学研究室

2021.12.23
  • 指導教員:医学教育統括センター副センター長/教授 西村渉(左)学生:山口修平(右)

学生レポート:山口修平 医学部医学科(2年)

~分子生物学実験はとても感動的で神秘的~


■所属する研究室名と指導教員名を教えて下さい。
分子生物学研究室です。担当の先生は西村渉先生、岩佐宏晃先生です。

■研究室に興味をもった理由(きっかけ)を教えて下さい。
本格的に研究室に所属したのは2年生の6月からです。今後の医療は分子生物学的手法でガラッと変わっていくのではないか。それならば学生の間に研究してみたいと思ったことが最初でした。先生の優しく、熱心な姿に惹かれたことも理由です。

■どんな研究室ですか。
実験主体の研究(ウェット研究)をしています。テーマは自由に決められるのですが、担当の先生が糖尿病に関連する膵臓(膵β細胞)を専門に研究されていることもあり,それに関わる研究を各自または各グループで研究しています。

■研究テーマを選んだ理由を教えてください。
以前からCRISPR-Cas9といったゲノム編集に興味がありました。研究室に所属して「透明化」という実験に興味を持ちました。実際にいくつかの試薬につけて操作すると、臓器だけでなく固体丸ごとでも完全に透明になるのです!目にするのはとても感動的で、とても神秘的に感じました。
自分のグループでは"CUBICなどの新しい試薬を用いたマウスの臓器の透明化と染色"を行っています。切断することなく臓器の立体構造を保ったまま実験することで,今まで不明だったことを解明しています。膵臓のランゲルハンス島とそれを含む周囲の構造を新たに発見して,ゆくゆくは論文を書き、医学会また世界中の患者さんに貢献していけたらと思います。

■研究室での活動について、努力されている点、工夫されている点を教えて下さい。
先行論文を読み、類似しない研究にしようとする点では努力しています。先生方がとても熱心にサポートしてくれるので大変さはあまり感じません。工夫している点は,毎日授業がある中で上手く研究時間を確保するところです。
実験は1~2週間サイクルで行います。その期間はほぼ毎日(週5日位)活動をしています。試薬の入れ替え作業などは、休み時間や放課後をうまく利用して短時間で行うようにしています。実験期間以外は主に研究内容に関する論文の抄読を行っています。
■研究室の環境、雰囲気、アピールポイントなど教えて下さい。
当研究室に限らず言えることですが、IUHW医学部は新設の医学部なので伝統やしきたりがなく,とても自由に楽しみながら研究できます。また1年生の入学したての段階から多くの研究室に参加可能なのも魅力です。先生方は留学経験のある方がほとんどで、フレンドリーで情熱的です!
分子生物学研究室に関しては、数ある研究室の中でもかなり活動的な研究室です。
メンバー間の仲も良く、研究の合間やふとした時にもとても落ち着いてリラックスできる環境です。

指導教員レポート:西村渉

~研究における探究的プロセス 問題解決能力を養う~

  • 指導教員:医学教育統括センター副センター長/教授 西村渉(左)

■研究室名を教えて下さい。
分子生物学研究室です。

■研究室での研究内容を教えて下さい。
当研究室では、インスリンを分泌する膵β細胞の発生・分化・機能について、特に糖尿病の病態との関連を中心に研究しています。

■学生の研究について、研究に取り組む姿勢などどのようなことを重視しますか。
研究について一から学ぶにあたって、試験管内で起こる現象のメカニズムを分子レベルで理解することや、手技のイメージを明確にしてから実験に臨む姿勢を重視して指導しています。認知的徒弟制における学習ステップを医学部低学年から経験する形になりますが、これは参加型臨床実習における技能の習得にも有用と考えています。

■研究室における学生の研究の到達目標はありますか。
研究室における探究的な学習プロセスを通じて、基礎医学の講義で得た知識を応用し問題を解決できるようになること。また、論理や議論を注意深く批判的に検討し、結果について省察や探索を繰り返すことにより、より深い学習習慣を身につけることです。そのような学習の延長線上に、学会や論文による発表が期待できます。

■研究室の環境、雰囲気、アピールポイントなどを教えて下さい。
当研究室は小規模で始まったばかりなので、教育のためのデモンストレーション的な実験をする余裕はなく、全てが真剣勝負となっています。研究室配属の仕組みができる前から、研究室で実験してみたいという学生を受け入れて来ましたが、幸運にも今までに参加した学生が勤勉で優秀だったので、研究室のプロダクションを落とすことなく、教育と研究を両立することができています。これからも、熱意と野心にあふれる学生の参加を期待しています。