石井秀明講師の研究成果が国際誌にアクセプトされました
この度、本年度着任した石井秀明講師の研究成果が国際誌Geriatrics & Gerontology Internationa(IF値:2.730)にアクセプトされました。タイトルは「Driving cessation and physical frailty in community-dwelling older adults: A longitudinal study」です。成田キャンパス理学療法学科では、質の高い研究活動を通して、国民の健康に貢献していきます。石井先生の益々の活躍を期待しています。
【書誌情報】
Ishii H, Doi T, Tsutsumimoto K, Nakakubo S, Kurita S, Shimada H. Driving cessation and physical frailty in community-dwelling older adults: A longitudinal study. 2021. Geriatr Gerontol Int. 2021. doi: 10.1111/ggi.14272. Online ahead of print.
【石井先生のコメント】
本研究は、自立した生活を送っている高齢者を対象に、自動車運転の中止とフレイル(健康な状態と日常生活に介助が必要となる状態の中間の状態)への移行との関係を4年間の大規模データにて検討し、運転の中止とフレイルへの移行は関係することを示しました。高齢者の自動車運転は社会的な問題となっており、危険な運転をする方は中止する必要がありますが、それ以外の方に対しては、中止以外の方法も含めて検討していく必要があると思います。引き続き、高齢者の健康寿命の延伸のために、自動車運転も含めて研究を進めていきたいと存じます。
【論文概要】
高齢者の健康寿命延伸に向け、フレイル予防が大切であり、健康な状態からフレイルへの移行に関連するリスク要因を検討することが重要となります。そこで、本研究では、フレイルへの移行と運転の中止に関連があるのかを4年間の縦断データを使用して検討しました。
対象は、ベースラインで日常生活が自立しており、フレイルではない自動車を運転している高齢者とし、4年後に運転をやめていた者(中止群)と、運転を継続していた者(継続群)に群分けをしました(解析対象人数:2,934名)。その結果、中止群は継続群に比べて、フレイルに移行するリスクが約2.7倍高いことが明らかとなり、高齢期における運転の中止はフレイルへの移行に関連するリスク要因であることを示唆しました。今後、フレイルの予防という視点において、安全な運転を行える高齢者には中止以外の支援も必要であると考えられます。