成田キャンパス

学科トピックス

青木章乃助教の研究成果が国際誌にアクセプトされました

2021.10.25

 この度、青木章乃助教の研究成果が国際誌International Biomechanics(IF値: 2.0)にアクセプトされました。タイトルは"Detection of knee wobbling as a screen to identify athletes who may be at high risk for ACL injury"です。成田キャンパス理学療法学科では、質の高い研究活動を通して、国民の健康に貢献していきます。青木先生の益々の活躍を期待しています。

【書誌情報】
Aoki A, Kubota S, Morinaga K, Zheng NN, Wang SS, Gamada K. Detection of knee wobbling as a screen to identify athletes who may be at high risk for ACL injury. International Biomechanics. 2021. 8(1):30-41. doi: 10.1080/23335432.2021.1936175. (IF値: 2.0)

【青木先生のコメント】
本研究は、前十字靱帯損傷という膝の外傷予防を目的としたバイオメカニクス研究であり、本研究における成果がスポーツ理学療法の発展に寄与できれば嬉しく思います。今回確立した、動作中の膝の異常な運動である膝揺れの定量化方法を基に、今後も、スポーツ選手の外傷予防に向けた研究、活動を継続し、怪我無くスポーツ活動を継続できることを実現していきたいと考えております。

【論文概要(200~300字程度)】
前十字靱帯損傷は、膝関節が浅い屈曲角度で外反が加わることで発生することが明らかにされています。しかし、これまでに前十字靱帯損傷の受傷を予測するための、効果的なスクリーニング方法は確立されていません。本研究では、浅い屈曲角度で急激に外反や内反が加わる"膝揺れ"に注目し、それを定量化する方法を確立することを目的としました。
 対象者(健常女性10名)は低速片脚スクワットを行い、3次元動作解析装置を用いて計測しましたました。スクワット下降時の膝関節屈曲30°未満における膝揺れを膝関節内外反角速度/膝屈伸角速度×100(%;F/S値)にて算出し、絶対値が100を超えるときに、膝屈伸運動に対し、膝内外反運動が上回っており、膝揺れとして定義しました(F/Sスパイク)。
 結果、片脚スクワット中、膝揺れが中央値で3.0回認められ、データのフィルタリングの周波数は6Hzが最適でありました。F/Sスパイクは膝揺れを定量化するために最適な方法であることが証明され、この指標を用いて、今後、前十字靱帯損傷との関連を明らかにしていく必要があります。