東京オリンピックでボランティアを体験しました
メディカルスタッフとして、各国の選手や報道陣のための医務室で受付と医療通訳を行いました。症状の聞き取りや服薬の説明の場面でこれまでの学びを生かすことができ、学修を重ねた甲斐があったと感じました。診療後にお礼を言ってもらえたときはとても嬉しかったです。一方で、英語が通じないことも多く、多言語対応や非言語的コミュニケーションの必要性を実感、国際的に活躍できる医師をめざすうえで大きな発見となりました。
■参加のきっかけや経緯
東京オリンピックが開催されると知ったのは中学3年生の頃でした。テレビで見る大きな大会が地元に来ると知って、待ちきれない気持ちになったのを覚えています。開催時にはボランティアとして大会に参加したいとずっと思っていました。
大学入学後、外国人医療について学ぶ学生団体に参加しました。活動の一環として医療英語に関する勉強会やイベントを多数開いてきましたが、それらへの参加を通じて海外からの患者さんに接する練習ができたと思います。
団体として東京オリンピックでボランティア活動を行うことを目指していましたが、新型コロナウイルス感染症の流行で大会の開催が延期となり、一時は大会に参加できるか分かりませんでした。参加が決まった時は長年の目標が叶うと分かり、とても嬉しかったです。
■活動内容を通して学んだこと
オリンピックではメディカルスタッフとして活動し、各国の選手や報道陣のための医務室で受付と医療通訳を行いました。
普段から学んできた医学の知識、英語や医療面接のスキルを症状の聞き取りや服薬の説明といった場面で生かすことができ、学習を重ねた甲斐があったと感じました。また、異国の地で病気や怪我を患った患者さんが安心していただけるようなコミュニケーションを心がけたのですが、患者さんが診療後「医務室に来たことで安心できてよかった、ありがとう」などとお礼を言ってくれて、大変嬉しかったです。
一方で英語が通じない患者さんも多く、外国人医療を英語だけで行うのでは不十分であり、多言語対応や非言語的コミュニケーションも必要であることが分かりました。これは、国際的に活躍できる医師を目指す上で大きな発見となりました。
活動中には多くの人との出会いもありました。全国からボランティアで集まってきた医師や看護師、医療事務の方などと知り合うことができ、活動の合間には日常の業務についてのお話を伺ったり、一緒にオリンピックのテレビ中継を見たりしました。
(佐藤 聡美 医学部医学科5年)