成田キャンパス

学科トピックス

田村暁大助教の研究成果が国際誌にアクセプトされました②

2021.07.14

 この度、田村暁大助教の研究成果が国際誌Journal of Back and Musculoskeletal Rehabilitationにアクセプトされました(IF値:0.821)。タイトルは「Evaluation of the relationship between history of lower back pain and asymmetrical trunk range of motion」です。成田キャンパス理学療法学科では、質の高い研究活動を通して、国民の健康に貢献していきます。田村先生の益々の活躍を期待しています。

【書誌情報】
 Tamura A, Akasaka K, Otsudo T, Igarashi H, Yoshida S. Evaluation of the relationship between history of lower back pain and asymmetrical trunk range of motion. J Back Musculoskelet Rehabil. 2021. doi: 10.3233/BMR-181353. Online ahead of print.
(IF値:0.821)

【田村先生のコメント】
 本研究は、若年者における将来的な腰痛発症を予防する上での基礎資料となるものです。本研究における成果を基に、運動器障害やスポーツ障害予防に向けたエビデンスを構築し、根拠のある理学療法に貢献していきたいと思います。

【論文概要】
 不良姿勢やスポーツ動作は非対称的な体幹運動を生じさせ、脊柱の非対称的な器質的変化を助長することが報告されています。本論文では、腰痛歴の有無と体幹可動域の左右非対称性の関連を明らかにすること目的としました。健常女性34名を対象とし、3次元動作解析装置を用いて体幹自動回旋・側屈可動域を計測しました。その結果、過去に腰痛を有する者は最大回旋可動域が有意に小さい値であり(腰痛あり:59.9±10.1°, 腰痛なし:68.2±9.1°)、回旋左右差が有意に大きい割合でした(腰痛あり:8.3±4.9%ROM, 腰痛なし; 5.1±3.7%ROM)。この腰痛歴のある女性における結果は、若年期における特定方向への非対称的な体幹運動により脊柱へ反復的な器質的ストレスが課せられたことに起因していると考えられ、非対称的な体幹可動域は、習慣的要因による腰痛の発症を予測する運動学的な指標であることが示唆されました。