田村雄一教授、不整脈の診断システム開発で最優秀賞
ＡＩスタートアップコンテスト「ＨＯＮＧＯ ＡＩ」
人工知能（ＡＩ）を開発する優れたスタートアップ企業を表彰するコンテスト「ＨＯＮＧＯ ＡI 2020」（主催：ＨＯＮＧＯ ＡＩ事務局、共催：日本経済新聞社）の最終選考会が昨年12月4日に開催され、本学の田村雄一教授（医学部循環器内科、三田病院肺高血圧症センター）が代表を務め、不整脈の自動診断支援システムを開発する「カルディオインテリジェンス」（東京都港区）が最優秀賞のＢＥＳＴ ＡＷＡＲＤを受賞しました。
田村教授が率いるＡＩ医療機器スタートアップの「カルディオインテリジェンス」は、心電図から不整脈の一種で脳梗塞の主原因である心房細動を予測、発見し医師の診断を支援するシステムを開発しています。
従来は発作時を捉えなければ診断できなかった心房細動を膨大な長時間心電図波形をディープラーニングで解析することにより、非発作時でも発作の兆候が検出できます。新規性や社会貢献性の高さなどが評価され、最終選考会に参加した14チームから選考委員の満場一致で選ばれました。
受賞の快挙に本学医学部の河上裕学部長は「今まで強く望まれてきた脳梗塞発症を予防する技術です。ＡＩホスピタル化の方向性の中で、田村教授らの今後の研究開発の発展を期待したい」と話しています。
田村教授は今回の受賞を受け、「一番大事なのは現場で問題を解決したいというパッションや思い入れだと改めて感じました。実用化に向けて頑張っていきたい」と力を込めました。
コンテストを主催するＨＯＮＧＯ ＡＩ事務局は2019年、東京大学がある東京都文京区本郷でＡＩスタートアップを支援する6社で設立。コンテストは優秀なＡＩスタートアップに光を当てるもので、今年で2回目。すでに多くのＡＩスタートアップが本郷に拠点を置いており、同事務局はシリコンバレーや深圳のように、本郷が世界に通用するブランドになることを期待しているとのことです。
-
最優秀賞を受賞した田村教授と選考委員のマネックスグループCEOの松本大氏（左）、Mistletoe代表の孫泰蔵氏（右）=表彰式