成田キャンパス

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東京赤坂キャンパスにて医療通訳の国際会議を開催

2019.06.27

コミュニティ通訳の国際会議である Critical Link International (CLI) の9回目となる会議 "Critical Link International 9 (CLI9)" が、2019年6月14日から16日にかけて本学東京赤坂キャンパスにて、本学大学院「医療通訳・国際医療マネジメント分野」主任の押味貴之准教授が大会長となって開催されました。(写真1)

世界中から医療通訳・法廷通訳・行政通訳・手話通訳などのコミュニティ通訳関係者が集まるこの国際会議は3年毎に英語圏で開催されてきましたが、英語圏以外で開催されるのは今回のCLI9が初めてとなります。前回スコットランドのエディンバラにて開催されたCLI8では "A new generation: Future-proofing interpreting and translating(新時代にふさわしい通訳と翻訳)" がテーマでしたが、このCLI9 では世界26カ国から262名の専門家が参加して、 "Community Interpreting in the Age of AI(人工知能時代のコミュニティ通訳)" をテーマに活発な議論を展開しました。

大会長を務めた押味貴之准教授は「コミュニティ通訳者には「忠実で正確な通訳をすること」という役割以外にも「通訳した内容が正しく理解されたかを確認すること」と「文化の違いを確認して相互理解のきっかけを作ること」という役割も求められます。今回のCLI9ではこういった「対話する二者の間に入り、それぞれの発話を解釈して相互理解を補助すること」というコミュニティ通訳の役割がどのように人工知能に代用されるのかを考えることで、現在のコミュニティ通訳を取り巻く問題点の本質を探る議論が展開できるように大会をデザインしました。」と語る。
基調講演としては日本の同時通訳の第一人者でもある鳥飼玖美子先生(立教大学名誉教授)を始め、同時自動音声通訳研究の第一人者である中村哲先生(奈良先端技術大学院大学教授)、法廷通訳の世界的権威であるSandra Hale先生(ニューサウスウェールズ大学教授)、そしてコミュニティ通訳研究で大変著名なClaudia V. Angelelli先生(Heriot-Watt大学教授)の4名に、人工知能時代におけるコミュニティ通訳の問題点とそれを取り巻く状況を提示して頂きました。(写真2「日本の同時通訳の第一人者である鳥飼玖美子先生(右から2番目)」)

これに続いて2つのシンポジウム、1つのパネルディスカッション、2つのワークショップ、7つのポスター発表が実施されました。さらに75の口頭発表がそれぞれ「人工知能と通訳」「養成と認証」「医療通訳」「法廷通訳」「その他コミュニティ通訳の話題」という5つのテーマに分かれ実施され、2日間に渡って熱い議論が各会場にて展開されました。

また懇親会では、東京赤坂キャンパスレストラン「AUBE」とカフェテリアで世界各国からの参加者が日本の盆踊りを体験するなど、異文化交流が図られました。(写真3)

押味准教授は「これまでのCLIが英語圏のみで開催されてきたということもあり、今回のCLI9では日本のコミュニティ通訳関係者にとっても世界のコミュニティ通訳関係者と出会う貴重な機会となったと考えられます。ボランティアとして参加した本学大学院の「医療通訳・国際医療マネジメント分野」の学生、および「医療通訳養成講座」の参加者にとっても学びの多い経験となったと考えています。今後も本学から優秀な医療通訳者が育ち、多文化・多言語共生医療の実現のため、世界に向けて様々な形で情報発信をしていきたいと考えています。」と述べています。

  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3