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理学療法学科:シリア難民の支援に行ってきました(トルコ)

8月4日~12日、トルコの南東部にある、シリア国境に近いシャンルウルファという町に行ってきました。この渡航の目的は、特定非営利活動法人 難民を助ける会「AAR Japan(Association for Aid and Relief, Japan、以下AAR)」からの依頼を受け、現地の理学療法士に下肢切断者の理学療法を指導することです。AARはインドシナ難民を支援するために政治・思想・宗教に偏らない市民団体として1979年に設立され、 約40年の活動実績を持ち、国連に公認・登録された国際NGOです。

シリアの内戦は2011年から続き、トルコにおけるシリア難民は約350万人、うち20~25%が障害を抱えていると推計されています。難民登録されたシリア人は、トルコ政府からの医療や教育における公的なサービスを受けられます。しかし、残された障害に対するリハビリテーション支援は皆無です。そのため、AARはシリアで理学療法士の資格を取得した11名を雇用し、物資援助も含めたリハビリテーション支援を展開しています。拠点はイス タンブール(PT2名)、マルディン(PT3名)、シャンルウルファ(PT6名)の3か所です。戦傷による切断者も多く、治療技術の向上が望まれていました。

今回は、これら11名の理学療法士に対して下肢切断の基礎的な知識の講義と症例を通しての具体的な治療方法について指導してきました。義足の支給体系も異なり、さまざまな問題が蓄積しているようでした。まず、義足の給付申請は理学療法士が行いますが、どのような義足にするかは義肢装具士が決定するため、完成してくるまでわからないのが実情のようでした。また、再交付基準が不明確なため、部品が破損した状態で使用している方も多いようでした。砂糖を入れた紅茶をたくさん飲む習慣があり、それだけではありませんが、体重増加により義足が装着できなくなっているケースも見受けられました。生活習慣の指導を徹底し、義足の知識を深め、義肢装具士と連携してアプローチしていけるシステムが構築できると良いと感じました。今回の研修を少しでも、治療技術の向上やシステムつくりの機会として生かしていただければと思います。今後も本学の特色としての国際協力に貢献し、大学教育をさらに厚みのあるものにしていきたいと考えています。

(成田保健医療学部 理学療法学科 准教授 森井和枝)