高度肥満症に対する肥満外科治療の費用対効果に関する研究
研究名称
高度肥満症に対する肥満外科治療の費用対効果に関する研究
倫理審査承認番号:
国際医療福祉大学 承認番号 24-Nr-007
目的
わが国の高度肥満症に対する肥満外科治療の費用対効果を明らかにする。また、外科治療が医療費、QOL、代謝指標に及ぼす影響についても検討する。
高度肥満症は、糖尿病・高血圧・脂質障害・睡眠時無呼吸症候群の他、脂肪肝・慢性腎臓病や整形外科疾患などを合併する難治性の疾患である。減量手術いわゆるバリアトリックサージェリーは、高度肥満症に対して切り札とされる治療であり、長期減量効果が期待できる.現在手術件数は世界で約60万件を超えると予測される。減量手術は、減量効果のみならず、肥満に合併する疾患をも急速かつ劇的に改善することから、糖尿病などの代謝疾患の改善が主目的の手術は、メタボリックサージェリーと呼ばれ、世界中で増加傾向にある。2017年には、アメリカ糖尿病学会や日本糖尿病学会を含む45の国際専門学会の承認を得て、肥満糖尿病患者に対して外科手術が推奨され、糖尿病の治療ガイドラインに掲載された。
わが国においては、2014年腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(Laparoscopic Sleeve Gastrectomy; LSG)が保険収載されたが、手術件数は年間500件余りと諸外国と比較し、極めて少ない。厚労科研「食欲中枢異常による難治性高度肥満症の実態調査」(H28-29年度、龍野班)によると、高度肥満症患者数はおよそ30-60万人と推測されるが、手術適応患者の多くが手術を受けることなく予後不良の経過をたどる(未公表)。このように、我が国の高度肥満症に対する減量手術は、十分に普及していない。
我が国の保険医療財政は極めて厳しい状況にあり、なかでも、糖尿病の医療費は増加の一途をたどっており、現在糖尿病の治療費は、年間8兆円にのぼる(2)喫緊の課題である。近年、海外で減量手術の費用対効果に関する論文が数多く報告されており、糖尿病など増大する医療費を抑制しうる可能性がある。海外とわが国では、医療制度の違いがあるため、わが国独自の検討が望まれる。以上の背景より、本研究を通じて、減量手術の医療経済効果を明らかにすることで、効率的な医療資源の配分を図り、患者のQOL・生存率の向上に寄与することが可能である。なお、本研究は日本肥満症治療学会・学術研究推進委員会の支援の下で実施される。
方法
多施設共同前向き観察研究
研究情報の公開について
通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用い研究等については、国が定めた指針に基づき「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされております。このような手法を「オプトアウト」と言います。オプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。なお、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。