脳腱黄色腫症(27-ヒドロキシラーゼ欠損症)における
オキシステロール濃度の臨床的意義の検討
研究名称
脳腱黄色腫症(27-ヒドロキシラーゼ欠損症)におけるオキシステロール濃度の臨床的意義の検討
倫理審査承認番号:
国際医療福祉大学 承認番号 24-Nr-006
目的
脳腱黄色腫症(cerebrotendinous xanthomatosis, 以下CTX)は、知能低下、錐体路症状、小脳症状などの進行性神経障害、アキレス腱黄色腫および若年性白内障、若年性動脈硬化症などを特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患である。
1968年Menkesらにより初めて病因を生化学的に検討され、神経組織に蓄積した脂質は、コレステロールおよびコレステロールに類似した構造を示すコレスタノールであることが明らかにされ、本症は先天性ステロール蓄積症であることが報告された。
1970年代には、CTXでは胆汁酸組成に異常があり、とくにケノデオキシコール酸(chenodeoxycholic acid, CDCA)が著明に減少していること、また、正常ではほとんどみられない多種類の胆汁アルコールが多量に産生されていることが明らかになり、本症はC27-ステロール側鎖の酸化障害による胆汁酸合成障害であることが明らかにされた。1980年代に入り、本症ではシトクロムP-450(cytochrome P-450, CYP)蛋白である27-水酸化酵素(27-hydroxylase, CYP27)の欠損があることが報告された。
本邦の「脳腱黄色腫症の実態把握と診療ガイドライン作成」研究班が実施した全国調査では、2012年9月~2015年8月の3年間に日本全国で40例のCTX患者の存在が確認されている。一方、ExAC (The Exome Aggregation Consortium)と呼ばれるコントロール集団のデータベースを用いたCYP27A1遺伝子の病原性変異頻度の検討による本症の頻度はヨーロッパ人で134,970~461,358人に1人、アフリカ人で263,222~468,624人に1人、アメリカ人で71,677~148,914人に1人、東アジア人で64,267~64,712人に1人、南アジア人で36,072~75,601人に1人と推測されている。この推測から仮定すると、本邦の患者数は1,000例以上となり、非常に多くの未診断患者が存在する可能性がある。
本邦の「脳腱黄色腫症の実態把握と診療ガイドライン作成」研究班が実施した全国調査では、2012年9月~2015年8月の3年間に日本全国で40例のCTX患者の存在が確認されている8)。一方、ExAC (The Exome Aggregation Consortium)と呼ばれるコントロール集団のデータベースを用いたCYP27A1遺伝子の病原性変異頻度の検討による本症の頻度はヨーロッパ人で134,970~461,358人に1人、アフリカ人で263,222~468,624人に1人、アメリカ人で71,677~148,914人に1人、東アジア人で64,267~64,712人に1人、南アジア人で36,072~75,601人に1人と推測されている9)。この推測から仮定すると、本邦の患者数は1,000例以上となり、非常に多くの未診断患者が存在する可能性がある。
方法
多施設共同研究
順天堂大学医学部臨床検査医学のホームページで募集した20歳以上のボランティアと、信州大学、山形大学、国際医療福祉大学、金沢大学、奈良県立医科大学、広島大学、産業医科大学、新潟大学、社会医療法人寿会・富永病院あるいは順天堂大学(本院または静岡病院)に集められたCTX患者および保因者を対象とする。
研究情報の公開について
通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用い研究等については、国が定めた指針に基づき「対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありません」が、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開し、さらに拒否の機会を保障することが必要とされております。このような手法を「オプトアウト」と言います。オプトアウトを用いた臨床研究は下記の通りです。なお、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。