診療概要
国際医療福祉大学医学部耳鼻咽喉科学教室は、成田病院を基幹施設として、国際医療福祉大学病院(栃木県)、三田病院(東京都)、山王病院(東京都)、東京ボイスセンター(東京都)、熱海病院(静岡県)の6つのグループ施設で連携しながら診療を行っています。当教室では、ほぼすべての耳鼻咽喉科・頭頸部外科疾患に対応していますが、特に聴覚・めまい・アレルギー・副鼻腔炎・腫瘍・音声の診療に力を入れています。2024年の教室全体の手術実績は以下の通りです。
- 耳手術:306件
- 鼻手術:596件
- 咽喉頭手術:815件
- 頭頸部腫瘍手術:257件
各施設がそれぞれの特色を活かした診療を行い、互いに協力しながら、教室全体として"広く"かつ"深い"診療を心がけています。グループ施設の診療の特長や詳細につきましては、各施設のHPをご参照いただければ幸いです。
関連施設一覧
国際医療福祉大学成田病院

国際医療福祉大学医学部耳鼻咽喉科学教室のホームページをご覧いただき有難うございます。
私は、岡野光博教授とともに、国際医療福祉大学医学部が開設した2017年4月に医学部耳鼻咽喉科学教授として本学に入職しました。2020年3月に国際医療福祉大学成田病院(以下、成田病院)が開設され、耳鼻咽喉科学初代主任教授、教授(代表)を拝命しました。5年が経過した2025年4月からは、岡野先生と役職を交代し、耳鼻咽喉科部長として成田病院に勤務しています。
耳鼻咽喉科では、聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚といった感覚器の疾患、アレルギー性鼻炎や扁桃炎などのアレルギー・炎症に関わる疾患、頭頸部がんを始めとする腫瘍性疾患など多彩な疾患を扱います。成田病院には頭頸部外科部長である今西順久医学部教授、鼻を専門とする岡野教授、耳を専門とする野口がおり、強力な布陣と自負しています。そして、耳科診療を専門とする我那覇章病院教授、頭頸部外科診療を専門とする渡部佳弘医学部講師が加わり、2025年7月の時点で5名の耳鼻咽喉科専門医・指導医が在籍しています。サブスペシャリティという観点からは、それぞれが頭頸部がん専門医・指導医、がん治療認定医、日本気管食道科学会専門医、鼻科手術暫定指導医、日本アレルギー学会認定指導医、アレルギー専門医、耳科手術暫定指導医、補聴器適合判定医師・補聴器相談医、めまい相談医、臨床遺伝専門医などの資格を有しており、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のあらゆる病気に対応しています。
頭頸部腫瘍領域の特徴として挙げられるのは、経口ロボット支援下手術(TORS)を含む内視鏡下咽喉頭手術(ELPS・TOVS)を千葉県で初めて導入し、低侵襲かつ機能温存と根治性を両立させた頭頸部がん手術に注力していることです。また、近年は内視鏡下甲状腺手術(VANS)に送気法を導入しています。
鼻科領域では、数多くの内視鏡下鼻副鼻腔手術をナビゲーション下に安全に行っています。鼻中隔の前方が曲がっている前弯症例に対しては、形成外科との合同で手術をしています。また、先進的な嗅覚リハビリも導入しています。
耳科領域では、人工内耳をはじめとする人工聴覚器手術に力を入れています。精密聴力検査機関かつ小児人工内耳手術を施行できる千葉県唯一の機関であることから、切れ目のない乳幼児難聴への対応が可能です。成人例を含めた難聴の遺伝子診断、遺伝カウンセリングが可能な千葉県で唯一の施設でもあります。
その他の当科での診療内容については、成田病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科のホームページをご覧いただければと思います。
成田病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 ホームページ
成田病院は基幹施設であり、本学医学部学生、初期研修医、耳鼻咽喉科後期研修医の主たる教育施設です。われわれ教室員の出身医局はさまざまであり、いわゆる学閥はありません。また、全員が教育に熱意を持ち、3人の医学部教授が直接マンツーマンで指導するという私の経験からすれば非常にめずらしく、めぐまれた体制になっていると思います。対象は新生児から高齢者まで幅広く、治療の多くは1つの診療科内で完結します。また、内科的な診療、外科的な診療のいずれにも従事できます。さらに、将来的には大学病院などでの専門性の高い診療からクリニックでの地域医療への貢献までいろいろな働き方を選ぶことができ、プライベートとの両立もしやすいと思います。「生きるをいろどる医師」を目指す耳鼻咽喉科・頭頸部外科にぜひ興味を持っていただければと思います。最後になりますが、患者様におかれましては、臨床実習へのご理解、ご協力、ご支援をお願い申し上げます。
国際医療福祉大学成田病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
耳鼻咽喉科部長
野口 佳裕
(2025年7月)

当教室のHPにアクセスいただきありがとうございます。
私は本学医学部開設(2017年4月)に際し,野口佳裕教授・岡野光博教授とともに耳鼻咽喉科学教授を拝命し,本学成田病院(2020年3月開院)では頭頸科部門責任者を務めています。
われわれ耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診療範囲はたいへん幅広く,多様多彩です。現代人が豊かに暮らすために必要な感覚機能(聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚)に加え、口腔・咽頭・喉頭が担う運動機能(咀嚼・嚥下・呼吸・発声・構音)の診療を通して,人々のQOL(quality of life)の維持と向上に貢献する役割を担っています。
領域でいう「頭頸部」とは,気道と消化管の最上部(upper aerodigestive tract)に相当する鼻副鼻腔・口腔・上咽頭・中咽頭・下咽頭・喉頭に加え,甲状腺・唾液腺なども含みます。その腫瘍性疾患の治療においては,根治性の向上だけでなく、身体の負担をできるだけ少なくすると同時に、治療後の機能を可能な限り良くすることを目指しています。そのためには関連各領域の専門科および診療部門とも相互に協力し,多専門職間の緊密な連携のもとに高度なチーム診療を推進しています。
私自身もcancer survivorの一人として,がん診療の進化に期待し且つ自ら尽力しています。成田病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の詳細についてはぜひ以下HPもご覧ください。
成田病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 ホームページ
私たちはまだ若い教室ですが,最大の強みは,サブスペシャリティごとに本邦トップクラスのスタッフ(教授陣)が集い,全方向的に専門的且つ先進的な診療・教育・研究を展開していることです。本邦の旧来的なスタイルから脱却した,米国型の運営スタイルに近い未来的な体制を率先していると私も自負しています。
この領域の診療に関心がある医学生・初期研修医のみなさんには,ぜひ気軽に私たちにお声掛けいただき,まずはこの教室を覗いていただけると嬉しく思います。そしてこの奥深い世界で,ともに奮闘しながら学べることを一同楽しみにしています。
国際医療福祉大学成田病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科
頭頸部外科部長
今西 順久
(2025年7月)
国際医療福祉大学三田病院
三田病院耳鼻咽喉科・聴覚・人工内耳センターは、人工内耳を含む人工聴覚器手術において全国的に高く評価されており、難聴に関する遺伝子検査や遺伝カウンセリング、補聴器外来、鼓膜再生医療においても、全国屈指の実績を誇る施設です。
また、他の分野においては、副鼻腔内視鏡手術やいびき治療手術を多数行っており、形成外科と連携した外鼻形成術および鼻中隔矯正術も当科の特色となっています。
聴覚・人工内耳センター部長
高橋 優宏
国際医療福祉大学熱海病院
熱海病院は1911年に旧日本陸軍の東京衛戍病院熱海分院として設立され、その後国立熱海病院を経て、2002年に国際医療福祉大学として初めての大学附属病院の名称をもった病院として移管され現在に至っています。移管4年後の2006年に現病院が完成し、以来現在まで耳鼻咽喉科の診療責任者を担当しております。
国内外に名が知られた観光地の熱海ですが、なかでも当院は熱海駅から徒歩でも10分程度の近さながら相模灘を一望できる素晴らしい場所にあります。その一方で病院の位置する静岡県東部・神奈川県西部は両県内でも医療過疎地域であり、救急搬送をふくめ多くの患者様が遠方からもおいでになっておられます。難聴・耳鳴・めまい・睡眠時呼吸障害など特色ある診療に力を入れつつも、境界領域も含めた幅広い疾患や症状への期待にこたえるべく日夜診療・研究に励んでおります。
耳鼻咽喉科部長
原田 竜彦