潮見 隆之 教授からメッセージ

世界で活躍するために

「世界」を意識し始めたのは高校生の頃でした。海外勤務をしていた父の影響を受けたのかもしれません。 大学時代、教科書は英文の原書で、また米軍基地の診療所にボランティアとして潜り込み、日常から英語を使う環境に身を置きました。 6年次の夏休みを中心に2カ月間、米国で臨床実習を経験し、同時期にUSMLE(米医師免許試験)を受験、医師として米国に渡る準備を重ねていました。

そのとき、研修先の先生から基礎研究の実験室にも出入りするように勧められ、そこで研究の楽しさに目覚め、 研究者としても臨床医としても働くことができる病理医をめざすことにしました。いったん日本で研鑽を積んだ後、ニューヨークに向かいました。 コロンビア大学で博士研究員、続いてスタッフとして、基礎および臨床研究者として過ごしてきました。

日本の医師が長期に渡って海外でキャリアを積む例はまだ少ないのが現状です。 私が10年間海外で過ごすことができたのは、大学時代から十分な準備を積んだことが最も大きな要因だと思います。

私の大学時代の経験は、実は本学のカリキュラムそのものです。本学医学部の国際性豊かな革新的な医学教育を知り、 自分の経験を生かしてみなさんをサポートしたいと思い、本学に着任することに決めました。

私が重視するのは理解の基盤となる枠組みの獲得と未知の事象に対する問題設定能力の習得です。 目前の病める人から、社会の公衆衛生学的問題まで、柔軟かつ適切に問題を設定し解決していく姿勢を身につけてください。 このようなトレーニングを通じて、国際医療協力・緊急災害医療や地域医療など医療資源が限定された状況から、 最先端の医療・医学研究の舞台まで対応可能な医師をめざしましょう。 ここには、学生の自律を促す仕掛けが満ちています。ひとりでも多くのみなさんが世界で活躍する医師・医学者に加わる日を楽しみにしています。

【Plofile】
桐朋高等学校、慶應義塾大学医学部(1998年卒)、慶應義塾大学大学院医学博士。
慶應義塾大学医学部助手(病理学)、Columbia University Associate Research Scientist、New York University Research Scientistを経て2017年から現職、基礎医学研究センター長。