倉橋 清泰 教授からメッセージ

これからの医師・医学部生に求められるもの

日本と欧米の教育の現場で私が最も違いを感じたのは、講義のスタイルと課外活動のあり方です。 日本の授業では知識の詰め込みの傾向が強い一方、欧米では考えさせる講義が主体です。 また、欧米では中高生の多くが課外で社会活動に参加し、各々の現場でリーダーシップや問題解決能力を身につけますが、 日本ではなかなかそのような経験をすることができません。医師や医学生に求められるのは「humanity(人間性)」、「empathy(共感力)」、 「cooperativeness(協調性)」、「leadership(統率力)」、「followership(支える力)」。 ある時はリーダーに、ある時は支える側になり、チーム医療の一員としての役割が期待されます。 このような力は自ら主体的に学ぶ経験や実社会の中でこそ磨かれるものです。

これからの医師には語学力も必要です。せっかくいい仕事をしても、語学力がないために世界的な医学雑誌に発表するチャンスを失ったり、 国際学会で受け答えができなかったりなど損をすることになります。 言語はツールでしかありませんが、それを持っているのと持たないのとでは大きな差が出てきます。

本学では今春2期生140 名を受け入れましたが、皆希望に燃えて目を輝かせています。 リベラルアーツ教育、アクティブラーニングを中心にした授業、英語による授業などの試みも、 学生と教員がお互い切磋琢磨して益々進化しています。 前述した日本の教育の弱い部分を補い、高い資質を持った正に「世界に羽ばたく医師」を育てるための素晴らしい歴史を築いていると実感しています。 皆さんの前にも明るい未来が待っています。この真っ白なカンバスに我々と一緒に素敵な絵を描きませんか。

【Plofile】
東京学芸大学附属高等学校、横浜市立大学医学部(1989年卒)。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校に博士研究員として3年、ワシントン大学にも客員教授として2年間留学し基礎研究に従事。
その間現地校に子弟を通わせ、日米の教育の違いを実感した。横浜市立大学附属市民総合医療センター麻酔科部長を経て、2017年から現職。麻酔科指導医。集中治療専門医。