河上 裕 教授からメッセージ

 医学部では、教育・研究・診療が重要です。国際医療福祉大学医学部は、このすべてで社会に還元できる成果をめざしています。良い医師になるためには、医学知識や技術の修得に加えて、患者さん中心の医療において、さまざまな背景を持つ患者さんに、多職種による「チーム医療・チームケア」で対応できる豊かな人間性が求められます。
 私が医学生であった時代と比べて、科学の発展とともに、今は、膨大な医学情報があふれています。その中から、より本質的なものを選び、その関係性をしっかり理解しておくことが重要です。そのために、プロジェクトや研究をすることにより、科学的な論理を身につけ、自分の頭で考えることが求められます。
 実際、臨床の現場では、複数の病気や合併症を抱えた方々に最善の治療を行うためには、医師は常にクリエイティブでなければなりません。さらに多くの病気の機序はまだ解明されておらず、治療法も十分に開発されていません。そのための研究(基礎医学・臨床医学・社会医学とその連携研究)も必要です。医学情報は日々更新されており、知識・技術をアップデートするために、医師は、生涯、学び続ける必要があります。人間性を高めるためには、読書などに加えて、いろいろな人と実際に会って議論すること、課外活動などにおいて、チームで目標を定めて、自分たちで考えて継続的に最大限の努力をすることなどの実体験が役立ちます。このグローバルな時代、最新医学を修得し、世界の人々と直接対話し、広い視野を持って、世界で活躍するためには、英語は国際共通語として必須です。そのために本医学部では、多くの海外教員と海外経験が豊富な日本人教員がいる環境で、1-2年生は徹底的な医学英語教育とともに、1学年20名の留学生と一緒に基礎医学や臨床医学を全て英語で学びます。
 本学の医学部では、これらの目標を達成するために、医療系総合大学の新学部である利点を生かして、すでにアクティブラーニング、クリニカルシミュレーション、早期医療体験プログラム、早期医療プロフェッショナリズム教育、器官別統合講義、診療参加型臨床実習、他医療系学科学生との関連職種連携実習、海外臨床実習など、さまざまな先進的な医学教育を進めています。
 自分の優れた才能は、社会に還元する使命があることを忘れてはなりません。ノブレス・オブリージュの精神は重要です。やる気のある皆さんと一緒に医学を学べることを期待しています。 

【Profile】
東京教育大学附属駒場高等学校、慶應義塾大学医学部(1980年卒)。医学博士。同大名誉教授。総合内科専門医。米国南フロリダ大、カリフォルニア工科大、NIH国立がん研究所に留学。慶應義塾大学医学部先端医科学研究所所長・教授、医学研究科委員長などを歴任。前日本がん免疫学会理事長、日本癌学会理事、日本臨床免疫学会理事、日本学術会議連携会員、2005年Thomson ISI highly cited researcher、SGH特別賞、2006年慶應義塾大学三四会北里賞、2018年同大義塾賞、日本免疫学会ヒト免疫研究賞、2020年日本癌学会長與又郎賞受賞。